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みどり花コラム
和の色、そして、茜染めの思い出

わが国の伝統色を和の色といいます。ちょっと興味があり、どんな色があるか知りたくて、『色の手帖』という本を読んでいました。そして、和の色は植物に関係のある色名が多いことに気づきました。これを私なりに2つに分けてみました。花・実・葉など植物の部位そのものの色に由来するものと、植物を使って染めた色に由来するものとにです。さらに、前者は、とく色・若竹色・山葵わさび色・若草色・朽葉色など葉や茎などの色、撫子色・桜色・桃色・牡丹色・藤色・山吹色など花の色、橙色・柿色・小豆色など実の色に分けられ、後者は、茜色・紫色など根を使って染めた色、藍色・刈安かりやす色・黄蘗きはだ色など葉や茎を使って染めた色、花色・紅色・梔子くちなし色など花や実を使って染めた色に分けられます。例を挙げるときりがありませんが、よく知られた色だけでも50色を優に超えるのです。

 

このように分類している折に、私が仲間に本当に申し訳ないことをした、過去の出来事をふと思い出しました。それは、私の「和の色を染めた布コレクション」の一つに収まっている、アカネで染めた布の話です。

 

ある植物関連の会で、アカネで布を染めることになりました。会の皆さんがアカネをたくさん栽培して、染める当日根を掘り上げ、会員それぞれが持ってきた布を染めるという次第でした。私はたまたま妻が持っていた、手ぬぐいより2周り大きい絹の残り布を持っていきました。会の皆さんは手ぬぐいより小さめの木綿の布を持ってきたのです。藍染め以外の多くの染めでは木綿はよく染まらないので、染める前に牛乳につけ、タンパク質を吸わせてから染めるのですが、私の持っていったのは絹、しかも、大きも皆さんの倍以上の布です。染めが終わって、乾しているときの色に驚きました。アカネの色素のほとんどを私の布が吸い取り、皆さんの布はあまり色がついていないのです。私の布は濡れている状態では紅色でしたが、皆さんの布は薄い桜色でした。

 

家に持ち帰って完全に乾かすと私の布は相応に薄くなり、そして、夕日の茜色そのものの色となりました。乾く前よりかなり薄くなったのですから、皆さんの布は想像するだけでも本当に申し訳なく、今でも心苦しく感じつつも、若い日の楽しい日々の一つの出来事と感慨深いものもあります。

 

緑花文化士 柴田 規夫

2020年10月掲載

 

 

アカネの根

アカネの根

 茜染めした絹の布

茜染めした絹の布

 

 

 

 

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