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生きもの小話
カイくんの好奇心

猫は動く物に反応するのはご存知だと思います。

今から私の猫が引き起こした⼤事件についてお話しさせていただきます。

まず我が家の猫たちをご紹介させていただきます。

 

サスケ(あだ名はサスくん、⼗歳)/おっとりのんびり引きこもり。

ヤマト(あだ名はやまちゃん、六歳)/家⼀番の⼒持ち。どんなに重い扉でもお安い御⽤。

海(あだ名はカイくん、三歳)/⽢えるのは良いけど⽢えられるのは嫌。

空太郎(あだ名はくーちゃん、⼆歳)/ご飯を⾷べても⾷べてもお腹が空いている⾷いしんぼう。ソファー下の住⼈。

 

こんな個性豊かな猫たちと⽇々暮らしております。最初は室内飼いの予定でしたが、⼒持ちの「やまちゃん」が窓や網⼾を開けてしまうのでテラスや屋根に出られるようになり、外への往来が⾃由になりました。不思議な事に、うちの猫たちはテラスや屋根より外には出て行きません。怖がりなのでしょうかね?

 

さて、東京郊外にある我が家は都内とはいえ、周辺は緑に溢れ、⿃や⾍も沢⼭見られます。

そして、今回の大事件の主役が、我が家の猫の中で最も好奇心旺盛なカイくんになります。

カイくん

 

 

カイくんは、いつもテラスや屋根をパトロールしています。特に、動く物を⾒つけると⽬が輝きます。ある⽇、鳴いている鳥を⾒つけたカイくんは、尻尾をフリフリしながら、ゆっくりと距離を縮めていきました。彼の興奮が手に取るようにわかりました。隙を見てダッと飛びかかりましたが、⿃はパッと空に舞い上がり飛び去って行きました。カイくんは悔しそうに空を⾒上げていました。これを見た私は、いつかカイくんが⿃を捕えてしまったらどうしようか!?と考えてしまいました。

 

もう⼀つカイくんが好きなことは、家の中に外からの侵⼊者が居ないかどうかチェックする事です。侵⼊してきた⾍に対しては、恐る恐る猫パンチ!これも大切なパトロールの一環です。その猫パンチ現場に、虫嫌いの私が遭遇したことが何度かありました。大好きな猫が大嫌いな虫に猫パンチ!心臓が飛び出しそうなくらい驚いた私は、毎度、家の外まで響き渡るほどの大声で家族に助けを求めます。そんな私の反応を、カイくんは⼼のどこかで⾯⽩がっているのだと思います。さて、私にとって一生忘れることのできない3⽇間があります。

 

 

 

「1⽇⽬の恐怖!」

 

私はとても眠くて仕⽅なく、ベッドに⼊ってゴロゴロしていました。⾜元にチクチクとした感覚がありました。最初はあまり気にならなかったのですが、徐々に気になり始め、布団をめくってみると、なんとそこには死んだ蜂が転がっていたのです!あまりにびっくりして、「お父さ~ん!!」と叫んでいました。すぐに駆けつけてくれた父が蜂を取り除いてくれました。翌朝、カイくんが得意げに私の⾜元でゴロゴロしているのを⾒て、すべてが理解できました。蜂をベッドに持ち込んだ犯人はカイくんのようです。彼のいたずら好きに驚き、蜂を捕えた勇敢さに感⼼しましたが、同時にかなり苛立ちました。なぜならば、私は⾍が⼤嫌いだからです。

 

 

「2⽇⽬の恐怖!!」

 

2⽇⽬は警戒していたのですが、朝起きると部屋に死んだヤモリがいました。寝ぼけていた私はなんとヤモリに気がつかず、尻尾を踏んづけてしまいました。なぜ私の部屋にヤモリさんが転がっているのか理解できず、再び驚きと苛⽴ちが⼊り混じった気持ちになりました。窓が開いていたので、夜中にこっそりとカイくんが連れて来た模様。彼の狩猟本能には感⼼しますが、もう少し穏やかな気持ちで過ごしたいものです。

 

 

「3⽇⽬の悪夢!!!」

 

さらに警戒していたにもかかわらず、夜、眠ろうとすると、今度は⾜元の布団の中に何かがある。最初はぬいぐるみかと思いましたが、こんなところに置いた覚えはありません。⼿で確認してみると…「あれ、こんなぬいぐるみあったかな?」…何かやわらかい物がある。布団をめくってみると、なんとそこにはスズメが転がっておりました。もちろん息絶えています。驚きとともに、なぜこんなところにスズメがいるのか理解できず、再び困惑してしまいました。窓を⾒ると、またしても少し開いており、カイくんがこっそり連れて来たことがわかりました。彼の狩猟本能には感⼼しますが、もっと穏やかな夜を過ごしたい!これ以上のサプライズは勘弁してほしいと思いました。

 

 

この3日間の恐怖体験より、夜は窓をしっかり締める!戸締りを忘れないことを⼼に刻みました。毎晩、寝る前に窓を確認する習慣がつきました。カイくんのいたずらには、ほとほと困りますが、カイくんの愛らしい姿を見ると全て許してしまいます。その後も、⼩さな「贈り物」を持ち帰ってくることがありましたが、恐怖の3日間以来の大物は見ていません。窓をしっかり閉めているからですね。カイくんの狩猟本能は⽌められませんが、少なくとも家の中でのサプライズは減らすことができました。今後もカイくんの好奇心の妨げにならないように、彼が安全で幸せに過ごせるように、そして私⾃⾝も安⼼して眠れるように、⽇々の⽣活を⼯夫して参ります。

 

そして、もう一つ!スズメやヤモリなどの野生動物が殺されてしまうのを見過ごすわけにはいきません。猫ちゃんの狩猟本能を止めることはできないので、私たち(飼い主)が責任を持って考え、対応しなければなりません。イエネコは家の中で!

 

 

 

 

◆Project WILD公式HPには環境教育活動事例などが掲載されています。 https://www.projectwild.jp/

 

(2025年2月掲載)

キーワード: 猫、狩猟本能、生き物との暮らし
左合 華子 (サゴウ カコ)
左合 華子 (サゴウ カコ)
TCA東京ECO動物海洋専門学校
動物園・水族館&テクノロジー専攻

私は、すでに御紹介した猫4匹と犬1匹、リチャードソンジリス1匹と暮らしています。
今年の目標は、愛玩動物飼養管理士の資格を取ることです。
今年の4月からオーストラリアに留学予定です。留学期間中に勉強はもちろんですが、様々な国の方々と友好関係を築いてくるつもりです。将来は動物園で働き、現在、学んでいる映像編集技術を活かしていきたいと考えています。よろしくお願いいたします。
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