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生きもの小話
なんで苦手?

今から10年くらい前、大野極楽寺公園(愛知県・一宮市)で勤務していました。

休み明けにスタッフ連絡用レターボックスを一つずつあけて、お土産のお菓子を入れていたときのこと。

ある人のレターボックスを開けると、中からオオミズアオ(大きい水色の蛾)のご遺体が!

周囲の度肝を抜くぐらいの悲鳴をあげたのは言うまでもありません。

 

ボックスの主、曰く「あー、ゴメン、ゴメン。きれいに死んでたんだよね~♪」

私「ボックスに入れとかないでくださいよ~(冷汗)」

主「ほんとは、赤田さんのボックスに入れてあげようと思ったんだけどね!( ̄― ̄)ニヤリ」

私「それだけはヤ・メ・テ!(T〇T)」

 

そう、私はチョウ目が苦手なのです。公言しているので、生きもの好きの周りの人にいたずらされることもしばしば…。より苦手意識が強まります。

 

「ガはわかるけど、チョウはきれいやん?」と言う方も多いですが、私にとってはガもチョウも一緒…。

 

見るのも嫌で、教科書にチョウやガの写真があると、ページを折ったり付箋を貼って隠すくらい。いわゆる「生理的に受け付けない」というやつです。

 

とはいえ、公園管理という仕事では接する機会のなんと多いこと!

 

 

※以下写真が出てきますので、苦手な人はこの先ご注意ください※

 

 

最初の勤務地、長野県のアルプスあづみの公園では、天蚕(てんさん)という緑色の絹が有名な地域だったので、夏の昆虫標本展示では必ずラインナップされるヤママユの標本。一番苦手なタイプです…。遠目に見てもわかる、大きい目玉模様に、威嚇するように飛び出た前翅。標本を運ぶ手伝いの時に、焦点を合わさずに接する技を編み出しました。

 

佐賀県の吉野ヶ里歴史公園では、竪穴式住居で養蚕を展示していました。

ほとんどは繭のまま絹糸になる運命ですが、次の世代を残すため、一部は成虫になります。

広報担当として、大人カイコも撮影。ファインダーをのぞかずに撮影できるデジカメがあってよかったです。

 

カイコの幼虫。一生懸命食べる姿に癒されます(吉野ケ里歴史公園:提供)

カイコの幼虫。一生懸命食べる姿に癒されます(吉野ケ里歴史公園:提供)

 

カイコの成虫。よく見ると毛深い…(吉野ケ里歴史公園:提供)

カイコの成虫。よく見ると毛深い…(吉野ケ里歴史公園:提供)

 

「クワの葉をシャリシャリ食べる幼虫はかわいいんだけどな…」

 

そう、幼虫は平気なんです。

 

いったい何が違うのか?苦手になったきっかけは?思い当たる節はいくつかあります。

 

小学低学年の頃、ジャ〇ニカ学習帳の表紙がオレンジ色の大きいまだら模様のチョウで、拡大された写真に「ちょっと気持ち悪いな~」と思いながらも、この時はまだ見るのも嫌っていうほどではありませんでした。

 

4年生になり、授業の一環で、クラスでカイコを飼っていました。やっぱり幼虫までは平気でした。しかし、繭を取ることなく、そのままケースの中で全て羽化し、羽ばたかせつつも、飛べないカイコがみっちりうごめいているのを見てゾッとした記憶が1つめ。

 

中学生の時、夜に部屋で一人、勉強机のライトだけをつけて机に向かっていた際、ゾワ!何かが首の後ろに当たりました。

「なんだ?」と思って手で払いのけたら、数センチぐらいのまぁまぁ大きめのガ。

「おかぁさーん!!(>_<)」半べそをかきながら階下に母を呼びに行きました。

首筋に当たった感触も、払いのけた感触も、ブブブ…と羽ばたきながら私のノートに鱗粉を撒き散らす姿も、とにかく気持ちが悪かったのです。

 

どうもそれが決定打のようでした。

 

そう、やつらは急にパーソナルスペースにやってくるのです。幼虫とは適度に距離感を保てるので平気なんだろうな。

チョウはヒラヒラと舞い、あっちに向かったかと思うとこちらにもどってきたり、行動が読めません。自意識過剰かもしれませんが、なぜもっと私を避けてくれないのか?屋外で、アゲハがいきなり私の顔の近くまでやってきたこともありました。キャベツ畑のモンシロチョウの大群も、もっとしっかり飛んでほしい。

ガは明かりに寄ってくるので、ある程度、行動は読めますが、それはそれで生活圏に近いので困ります。夜間、自転車のライトに吸い寄せられたガが素足に当たるなんてことも。

一人暮らし時代、アパートの扉のライトにスズメガが張り付いた時には、小一時間部屋に入れませんでした。石を投げて追い払おうとするも、ノーコンのためガは動かず。結局、生きもの好きの同僚に電話して助けてもらいました。

 

そんな私も、数年前から環境教育に携わり、自然観察イベントなどで生き物と接する機会が多くなりました。

また、苦手なのであまり知ろうとしていなかったのですが、プロジェクトワイルドのアクティビティで子どもたちに説明するため、チョウ目も含め、生きものの勉強もするようになりました。

目玉模様も、威嚇するように飛び出た前肢も、外敵から身を守るため、フクロウの目や、ヘビの頭の擬態というのもプロジェクトワイルドを通じて知りました。

(ヒロさんの記事参照https://www.midori-hanabunka.jp/living?term=m7457

 

そういう目的のものだから不快に感じるのは当然なのかも、と妙に納得でした。謎のまま不快に感じるのと理由がわかって不快に感じるのでは、ちょっと違ってきます。

 

昆虫観察の先生に同行して見せてもらったタテハモドキの目玉の多さにドキドキしつつ、「最近北上して福岡近辺でも見られるようになったんだよ」というエピソードを聞くと、ちょっと興味がわいてじっくり観察できるようになりました。

 

タテハモドキ。裏も表も目玉がたくさん。いつか私も手にのせられるかな...

タテハモドキ。裏も表も目玉がたくさん。いつか私も手にのせられるかな…

 

社内のプロジェクトワイルド担当メンバーとのZOOMミーティングで共有される、ガやチョウの写真もだいぶ慣れたと思います。最初のころは、必殺焦点ぼかしで見ていましたが、ガやチョウを好きな人からお話を聞くと、ちょっと興味がわくのはなぜでしょう?好きなことを話している人たちは、キラキラしていて楽しそうで、好きのエネルギーが伝わってくるからなのでしょうか?ちょっぴり焦点を合わせて見られるようになりました。

 

現在も環境学習プログラムのネタ集めや勉強も兼ねて、夏は昆虫採集をしています。チョウは虫取り網ごしなら触れるようになりました。鱗粉がつくのはまだ嫌かな。

ガはまだ近づけないし、嫌悪感もありますが、見るのは平気になりました。ようやく「ガはわかるけど、チョウはきれいやん」レベルです。

見るのは平気になったので、今まで買えなかった昆虫図鑑もようやく購入できました。

 

小話に収まらないくらい長文になってしまいましたが、写真付きで、この生きもの小話をアップできたのもプロジェクトワイルドと生きもの好きのみんなのおかげです。ありがとう。

 

皆さんも苦手な生き物も含め、なぜ苦手なのか?考えてみたり、その生きものが好きな人からお話を聞いてみたりすると、苦手意識がやわらぐかもしれません。人間関係にも使えるかも?!

私のプロジェクトワルドのおすすめアクティビティは「第一印象」です。好きな生きもの、苦手な生きものについてディスカッションする内容です。興味のわいた方はエデュケーター講習、受講してみてくださいね♪(宣伝!)

 

(2023年11月掲載)

 

 

 

Project WILD公式HPには環境教育活動事例などが掲載されています:https://www.projectwild.jp/

 

11月にはアメリカ アイダホ州よりクマ専門家のグレッグ・ロシンスキー氏をお迎えして、クマに関する講習会「WILD About BEAR指導者養成講習会」開催を予定しています。
下記のリンクからお申込みいただけます。

■講習会のお申込・詳細はコチラから

https://www.projectwild.jp/【project-wild-~クマ編~】-wild-about-bear-指導者養成講習会/

11/10(金)募集締切ですので、ぜひご参加ください。

 

キーワード: オオミズアオ、チョウ目、カイコ、天蚕、ヤママユ、アゲハ、モンシロチョウ、スズメガ
赤田佳代(あかた かよ)
赤田佳代(あかた かよ)
1981年和歌山県生まれ
一般財団法人公園財団
雁の巣レクリエーションセンター勤務
プロジェクトワイルドファシリテーター
樹木医

植物が好きで入団。プロジェクトワイルドや、生きもの好きの財団スタッフ、自然観察イベントの先生方のおかげで、写真を見るのも嫌だったチョウ目の苦手意識がちょっぴりなくなりました。 まだまだ触れませんが…。 イモムシは平気なんですけどね…。
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