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みどり花コラム
マメナシを知っていますか?
10日程度で描いた植物画

10日程度で描いた植物画

マメナシは文字通り、豆のように小さな実をつける梨の仲間です。イヌナシとも呼ばれます。

 

はるか昔、東海地方に木曽三川によって形作られた「東海湖」という大きな湖があり、だんだんと干上がってたくさんの湿地ができたのだそうです。そこには湿地を好むハルリンドウやカキラン、ヒツジグサ(日本原産の小さな睡蓮)、サギソウなどの他に、シデコブシやハナノキ、ヒトツバタゴ、シラタマホシクサ、ミカワシオガマなど、この地方特有の植物が生息しています。これらの植物は東海丘陵要素とか、周伊勢湾要素などと呼ばれています。マメナシもその仲間です。

 

マメナシは4月の初旬、栽培品種の梨より小さめの花を枝一面に咲かせます。白い花びらに紫色の雄しべがとても美しく映えます。うぶ毛が生えた柔らかな薄緑の若葉も、花とほとんど同時に展開します。秋には1㎝程の小さな梨の実が鈴なりに実ります。じゃりじゃりした梨特有の食感がありますが、おいしくはありません。鳥にも不評なのか、翌年の花の時期にも実が残っています。実生の株が少ないのは、そんな理由からでしょうか?

 

残念ながら数が激減し、絶滅危惧種になっています。私の住む岐阜県では記録があるのみで、三重県や愛知県にあるものの多くは保護されていますが、1本だけ残されている個体では繁殖はできません。今残っているものが枯れればそれで終わりです。何本か残っていても、宅地開発や、本来自然を守るために行われるはずの緑地や池の整備のおかげで、あっという間に姿を消してしまうことがあるそうです。

 

マメナシの植物画を描きたくて、花が咲き始めた枝をある所で頂きました。描き始めてすぐ、花びらが小さな青虫に食われているのに気づきました!この青虫たちはきっと、花が開くと同時に卵から孵るようにインプットされているのでしょう。かわいそうでしたが青虫さんたちにはお引き取りを願って、植物画を完成させました。

 

 

服部早苗(緑花文化士)
2020年4月掲載

河原や池、湿地などを好むマメナシ

河原や池、湿地などを好むマメナシ

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