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みどり花コラム
ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属)

やや湿った雑木林などでニリンソウを見つけると、春が巡って来たなあと感じられてとても嬉しくなります。花を観ると心が和む人がほとんどだと思いますが、植物の方はどう思っているのでしょうか。

川中美幸さんの代表的な歌に「二輪草」というのがあります。ニリンソウは1本の茎から1∼3個の花をつけますが、通常は2つの花を咲かせるものが多いので、仲の良い夫婦の象徴としてこの歌詞が作られたのだと思います。歌手にも作詞者にも何の恨みもありませんが、彼女が「ふたり~は、にりんそう」とにこやかに歌っているのをTVで見かけると、つい「あらら」と思ってしまいます。ニリンソウは普通には2つの花が同時には咲かず、最初の花が咲き終わる頃に次の花が開くのです。ニリンソウは虫によって花粉を運んでもらう植物です。2つの花が同時に咲いた日が曇天だったり寒い日だったりすると、虫が来ないかもしれません。子孫を残すチャンスを増やすためには、花が咲く日をずらした方が受粉の確立が上がります。私たちにしてみれば2輪が同時に咲いてくれた方が綺麗で嬉しいのですが、残念ながら人間の為に花を咲かせているわけではないのです。

私たちが花として見ている白い「花弁」は、植物学的には「萼片」と言われる部分ですが、この事も人間が決めたことです。ニリンソウにとってはどうでもよいことで、人間の都合には関係なく、今年もたくさんの花を咲かせることでしょう。いつまでも里山の春を彩る花であってほしいと、勝手に願っているところです。


(緑花文化士 佐藤久江) 2018年2月掲載

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