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公園管理運営チャレンジしました

調査の効率化を
調査は春夏合わせて延べ約50人で実施。<br/> プレ調査では、全天空写真の取り方を確認するなど、 レクチャーも行いながら実施した

調査は春夏合わせて延べ約50人で実施。
プレ調査では、全天空写真の取り方を確認するなど、 レクチャーも行いながら実施した

共同研究の第1段階である今年度は、当公園にて秋と冬の調査も行い、平日、休日の利用の違い、季節による違いがあるか、分析を行っていきます。また、日本都市計画学会の都市計画報告集に、春季の調査を基に調査方法や分析手法などをまとめたものを研究速報として投稿もしました。

 

第2段階では、規模や、管理主体の異なる公園・緑地での調査をしていく予定です。そのため、調査を効率的に実施したいと考えており、当公園での目視による調査と同時に、全天空写真を撮影し、利用調査を行い、目視による調査と比較し有効性を確認しました。全天空写真とは、1点から360度撮影した写真のことで、目視の調査で1か所当たり5~10分かかっていた調査がシャッターを切るわずかな時間で現地での作業が済み、室内で写真を確認しながら入力することができるため、効率が良いことが分かりました。特に、利用者が多い時には、目視で1つのグループを調査票に記入している間に他の利用者が移動してしまうこともあり、1時点の記録を行う点では、写真での調査は正確であることがわかりました。ただし、写真での調査では、グループ内の関係性がわかりにくいため、静止画ではなく動画による調査を行うなど、改善の余地があると考えています。

 

第3段階では、地域ごとの特性なども考慮した視点を持って、公園単体ではなく、まちの中における公園緑地の価値を評価し、まちづくりに貢献する公園の在り方を検証していきたいと考えています。

調査に用いた全天空写真の一例

調査に用いた全天空写真の一例

 

共同研究はまだ始まったばかりで、最終的な成果のイメージは得られていませんが、例えば、木陰をつくる木と広場の組み合わせ、適度に距離を取って配置されているベンチなど、公園を構成する木、施設、広場等の組み合わせが快適さをつくり、そこから様々なコミュニティが醸成され、地域の活力となり、健康で快適な生活基盤づくりにつながるのではないかと感じています。つまり、私たちが明らかにしたい「みどりの価値」の指標とは、その場にある様々な要素と、そこで過ごす人々のニーズを受け止める「快適な空間」の作り方や、その魅力を引き出すための管理運営者の取組みであると考えています。引き続き実施する調査などを通して得たものを公園の管理運営に反映しながら、今後も「みどりの価値」の指標化に取り組んでいきます。

 

■関連ページ

株式会社 日比谷アメニス:https://www.amenis.co.jp/

都市計画報告集 No.20(2021年度):https://www.cpij.or.jp/com/ac/reports/20_204.pdf

 

※文中に出てくる所属、肩書、情報などは、掲載時のものです。(2021年10月掲載)

 

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過去記事一覧
第49回 ステキな公園はスタッフの健康から「‘キラリ’健康プロジェクト」
第48回 中学生の提案から始まった、ボール遊びができる公園の整理(船橋市)
第47回 公園の魅力を見つめ直して「秋のライトアップ」できっかけづくり(足立区花畑公園・桜花亭)
第46回 “五感”を満たす空間づくり ~統一感あるデザインと、一貫したコンセプトを守っていく~ (いばらきフラワーパーク)
第45回 サステナブルな堆肥づくり「バイオネスト」の可能性 (国営木曽三川公園 138タワーパーク)
第44回 都心に残るゲンジボタル(国立科学博物館附属自然教育園)
第43回 大池公園さくら再生プロジェクト!(大池公園)
第42回 初の産学連携!地元の高校生と協同で商品開発!(稲毛海浜公園)
第41回 冬の新宿を彩るCandle Night @ Shinjuku(新宿中央公園)
第40回 20年目を迎える「第20回日比谷公園ガーデニングショー2022」を開催(都立日比谷公園)
第39回 多様な生き物と人が集まるビオトープを作る!(国営アルプスあづみの公園)
第38回 いにしえの植物を万葉歌と共に楽しむ 万葉植物画展「アートと万葉歌の出逢い」(平城宮跡歴史公園)
第37回 来園者も参加する獣害対応防災訓練
第36回 「みどりの価値」を指標化し、「こころにやさしいみどり」をつくる
第35回 時代のニーズをとらえた花畑を(国営昭和記念公園)
第34回 身近な公園でパラリンピック競技を体験する(むさしのの都立公園)
第33回「写真を撮りたくなる」公園づくり(小豆島オリーブ公園)
第32回 「自然学習」アプリは「広い園内で遊べる」ツール(国営昭和記念公園)
第31回 Onlineでも環境教育を(Project WILD)
第30回 コロナ禍でも市民と共に活用できる公園(兵庫県立尼崎の森中央緑地)
第29回 音楽に親しむ公園の「森のピアノ」(四万十緑林公園)
第28回 植物に関するミッションでリピーターを増やす(小田原フラワーガーデン)
第27回 猛威を振るう外来のカミキリムシを探せ(栃木県足利市)
第26回 地域と協働したプロジェクト(播磨大中古代の村(大中遺跡公園))
第25回 地域住民の意見を聞きながら公園の魅力を維持・向上させる(足立区)
第24回 Stay Homeでも公園を楽しむ(国営武蔵丘陵森林公園)
第23回 できる人が、できる時に、できることを(こどもの城)
第22回 雪を有効活用して公園に笑顔を(中山公園)
第21回 地域をつなぎ、喜びを生み出す公園(柏崎・夢の森公園)
第20回 絵本の世界を楽しみながら学ぶことのできる公園(武生中央公園)
第19回 全国に注目されるゴキブリ展を開催(磐田市竜洋昆虫自然観察公園)
第18回 大蔵海岸公園のマナードッグ制度(大蔵海岸公園)
第17回 園内から出た植物発生材をスムーズに堆肥化する(国営木曽三川公園)
第16回 地域の昔話を学ぶことのできる公園(坂出緩衝緑地)
第15回 公園の看板に一工夫(国営讃岐まんのう公園)
第14回 地域に貢献する農業公園(足立区都市農業公園)
第13回 公園のイベントを通して子供たちに「外遊び」を提供!(雁の巣レクリエーションセンター)
第12回 生き物の面白さを伝える動物公園(多摩動物公園)
第11回 増大かつ多様化する公園利用者に対応する施設管理(国営ひたち海浜公園)
第10回 弘前公園のサクラを後世に引き継ぐ(弘前公園)
第9回 未来につづく公園づくり(大野極楽寺公園)
第8回 生き物にふれあえる公園づくり(桑袋ビオトープ公園)
第7回 発生材を有効活用する(公益財団法人 神奈川県公園協会)
第6回 幻の青いケシ(国営滝野すずらん丘陵公園)
第5回 「街路樹はみんなのもの」という意識を(東京都江戸川区)
第4回 最良の門出を祝う「ローズウェディング」(国営越後丘陵公園)
第3回 感謝の気持ちを伝えるくまモン(水前寺江津湖公園)
第2回 ふるさと村で人形道祖神を紹介(国営みちのく杜の湖畔公園)
第1回 様々な競技会にチャレンジ!(国営木曽三川公園)


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