公園文化ロゴ
公園文化ロゴ
公園文化を語る 公園の達人 公園管理運営「チャレンジ!」しました 公園とSDGs 生きもの小話 みどり花コラム アートコラム 花みどり検定 公園の本棚 世界の公園 たまて箱 公園”Q&A /
公園管理運営チャレンジしました
第1回 様々な競技会にチャレンジ!(国営木曽三川公園)

第 1 回目は、国営木曽三川公園の木曽三川公園管理センター 長良川サービスセンターで行われる トライアスロン、自転車ロードレース、ボート競技等、様々な競技会主催 者に適切なアドバイスを行い、競技がスムーズかつ安全に行われるよう 日々工夫を重ねている久保寛和係長の「チャレンジ!」をお届けします。

木曽三川公園管理センター 長良川サービスセンター係長 久保 寛和さん
木曽三川公園管理センター 長良川サービスセンター係長 久保 寛和さん

長良川を利用したトライアスロン大会
長良川を利用したスイムコース

長良川を利用したスイムコース

国営木曽三川公園(以下、公園)には、長良川を利用した国際レガッタコースやカヌー体験コーナーの他 に、河川敷を利用しマラソン、バイク(自転車)コースも整備されており、スイム、バイク、ラン(遠泳、自転車ロードレース、 長距離走)の3つを行うトライアスロンコースとしても利用できるようになっています。このため公園では年間 10 回程度、トライ アスロン大会(以下、大会)が開催されています。2012 年に岐阜県で開催された第 67 回国民体育大会「ぎふ清流国体」でも、公園で公開競技※としてトライアスロン競技が開催されました。

※国民体育大会(国体)の公開競技:「正式競技」以外で、普及などを目的として実施する競技。実施対象競技団体が開催都道府県と協議の上実施する。得点積算競技とはならない。

河川敷のバイクコース

河川敷のバイクコース


欠かせないコースデザイン
トライアスロン大会のコース図

トライアスロン大会のコース図

公園で年間 10 回程行われる大会のほとんどは岐阜県トライアスロン連合が主催で、久保係長は主催者がスムーズに大会を実施できるよ うサポートします。具体的には、他のイベントとの日程調整、公園管 理者へ提出する許可申請のフォロー、大会運営のための実施体制チェ ック、コースレイアウトのチェック、熱中症への対応について主催者 への確認、設営状況を確認し、大会当日を迎えます。

大会当日はエイド(補給所)やスポーツドクターへの状況確認を行い、必要に応じてアドバイスや不足資材の確認を行ないます。中でもコースレイアウトのチェックは重要です。泳ぎ終わった後に自転車に乗る「トランジションエリア」と観戦エリアの配置によって、競技中の選手と観客の動線が変わってきます。観戦エリアを固定すれば安全性は保たれますが、観客にとっては面白味の少ない大会になります。

逆に、観戦エリアに幅を持たせると、選手の動線と観客の動線が ぶつかり、競技に支障をきたすこともあります。過去の大会や自 転車ロードレース等を参考に、より安全に大会が実施できるよう、 主催者にアドバイスを行うことを常に意識しています。

トライアスロン大会のコース図(一部)

トライアスロン大会のコース図(一部)


長良川を泳ぐトライアスロン大会
バイクからランに切り替えるトランジションエリア

バイクからランに切り替えるトランジションエリア

一般のトライアスロンコースと異なり、長良川をスイムコースとして使用することから、大会前になると天候に配慮する必要があります。増水や荒天によって、川の流れが速くなり、泳ぐのに不適 切であると考えられる場合、早めに中止の判断をしなければ、大会の運営に大きな打撃となります。し かし、大会の中止や変更(バイクとランのみのデュアスロンにする等)の判断をするのは主催者です。 そのため久保係長は、これまでの経験と正確な河川の状況の把握を行い、主催者との信頼関係を築き、 適切なアドバイスを適切なタイミングで行うことによって、主催者が納得できる判断を下せるよう心掛 けています。

また、トライアスロンに限らず、レガッタコースを使用する漕艇練習時やボート競技では、コース付近の動力船等の動きも絶えず確認し、注意喚起の放送やモーターボートによる巡視を実施します。「考えられる様々な事態を頭に入れながら、公園を利用する皆様に安全・安心を提供し、『またこの公園で大会をしたい』と競技会主催者や参加者の皆様に思っていただける管理運営を目指しています」と久保係長は話しています。

参考文献:
公益財団法人 日本体育協会
http://www.japan-sports.or.jp/


※文中に出てくる所属、肩書等は、取材時のものです。2016年8月掲載

区切り線
過去記事一覧
第47回 公園の魅力を見つめ直して「秋のライトアップ」できっかけづくり(足立区花畑公園・桜花亭)
第46回 “五感”を満たす空間づくり ~統一感あるデザインと、一貫したコンセプトを守っていく~ (いばらきフラワーパーク)
第45回 サステナブルな堆肥づくり「バイオネスト」の可能性 (国営木曽三川公園 138タワーパーク)
第44回 都心に残るゲンジボタル(国立科学博物館附属自然教育園)
第43回 大池公園さくら再生プロジェクト!(大池公園)
第42回 初の産学連携!地元の高校生と協同で商品開発!(稲毛海浜公園)
第41回 冬の新宿を彩るCandle Night @ Shinjuku(新宿中央公園)
第40回 20年目を迎える「第20回日比谷公園ガーデニングショー2022」を開催(都立日比谷公園)
第39回 多様な生き物と人が集まるビオトープを作る!(国営アルプスあづみの公園)
第38回 いにしえの植物を万葉歌と共に楽しむ 万葉植物画展「アートと万葉歌の出逢い」(平城宮跡歴史公園)
第37回 来園者も参加する獣害対応防災訓練
第36回 「みどりの価値」を指標化し、「こころにやさしいみどり」をつくる
第35回 時代のニーズをとらえた花畑を(国営昭和記念公園)
第34回 身近な公園でパラリンピック競技を体験する(むさしのの都立公園)
第33回「写真を撮りたくなる」公園づくり(小豆島オリーブ公園)
第32回 「自然学習」アプリは「広い園内で遊べる」ツール(国営昭和記念公園)
第31回 Onlineでも環境教育を(Project WILD)
第30回 コロナ禍でも市民と共に活用できる公園(兵庫県立尼崎の森中央緑地)
第29回 音楽に親しむ公園の「森のピアノ」(四万十緑林公園)
第28回 植物に関するミッションでリピーターを増やす(小田原フラワーガーデン)
第27回 猛威を振るう外来のカミキリムシを探せ(栃木県足利市)
第26回 地域と協働したプロジェクト(播磨大中古代の村(大中遺跡公園))
第25回 地域住民の意見を聞きながら公園の魅力を維持・向上させる(足立区)
第24回 Stay Homeでも公園を楽しむ(国営武蔵丘陵森林公園)
第23回 できる人が、できる時に、できることを(こどもの城)
第22回 雪を有効活用して公園に笑顔を(中山公園)
第21回 地域をつなぎ、喜びを生み出す公園(柏崎・夢の森公園)
第20回 絵本の世界を楽しみながら学ぶことのできる公園(武生中央公園)
第19回 全国に注目されるゴキブリ展を開催(磐田市竜洋昆虫自然観察公園)
第18回 大蔵海岸公園のマナードッグ制度(大蔵海岸公園)
第17回 園内から出た植物発生材をスムーズに堆肥化する(国営木曽三川公園)
第16回 地域の昔話を学ぶことのできる公園(坂出緩衝緑地)
第15回 公園の看板に一工夫(国営讃岐まんのう公園)
第14回 地域に貢献する農業公園(足立区都市農業公園)
第13回 公園のイベントを通して子供たちに「外遊び」を提供!(雁の巣レクリエーションセンター)
第12回 生き物の面白さを伝える動物公園(多摩動物公園)
第11回 増大かつ多様化する公園利用者に対応する施設管理(国営ひたち海浜公園)
第10回 弘前公園のサクラを後世に引き継ぐ(弘前公園)
第9回 未来につづく公園づくり(大野極楽寺公園)
第8回 生き物にふれあえる公園づくり(桑袋ビオトープ公園)
第7回 発生材を有効活用する(公益財団法人 神奈川県公園協会)
第6回 幻の青いケシ(国営滝野すずらん丘陵公園)
第5回 「街路樹はみんなのもの」という意識を(東京都江戸川区)
第4回 最良の門出を祝う「ローズウェディング」(国営越後丘陵公園)
第3回 感謝の気持ちを伝えるくまモン(水前寺江津湖公園)
第2回 ふるさと村で人形道祖神を紹介(国営みちのく杜の湖畔公園)
第1回 様々な競技会にチャレンジ!(国営木曽三川公園)


TOPに戻る

公園文化ロゴ2