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公園管理運営チャレンジしました
第21回 地域をつなぎ、喜びを生み出す公園

第21回目は、柏崎・夢の森公園で市民の活動を支えているアール・ケー・イー・ホールアースグループの山崎 和恵さんの「チャレンジ!」をお届けします。


1.「わいわいミーティング」から始まった「青空くるくる」
現在も毎年1回開催している「わいわいミーティング」

現在も毎年1回開催している「わいわいミーティング」

柏崎・夢の森公園(以下、夢の森公園)は、新潟県柏崎市にある里山を復元、整備して造られた公園です。夢の森公園は、2015年4月に柏崎市の管理から私たちアール・ケー・イー・ホールアースグループによる指定管理に移行しました。私たちは指定管理者だからできることを念頭に、夢の森公園を柏崎市が活性化する拠点の一つと捉え、前例がないからやらないのではなく、「まずは小さく始めてみる=小さな渦を起こす」ことを意識していこうと考えていました。

 

そこで、「夢の森の可能性を広げる」をテーマに市民が対話を行う「わいわいミーティング」を開催することにしました。第1回目の「わいわいミーティング」は、指定管理開始前の2015年3月に、それまで夢の森公園にご縁のあった様々な方や柏崎市に住む市民に声をかけて実施しました。参加者それぞれに柏崎市や夢の森公園に対する思い、自分のやってみたいことなどを語り合い、私たち公園スタッフだけでは思いつかない様々なアイデアが生まれました。その中で、参加者の一人の女性から「柏崎の子育て世代に外遊びの楽しさを伝える“外遊び×子育てイベント”をやりたい」という発案がありました。その発案に賛同した参加者に対して、夢の森公園から「まずは具体的に何かやってみよう!」と声をかけました。これがのちに「青空くるくる」へと育っていきます。


2.外遊び×子育てイベント「青空くるくる」をサポートする
「青空くるくる」のイベントの1つ、泥んこ遊びで大人気の滑り台

「青空くるくる」のイベントの1つ、泥んこ遊びで大人気の滑り台

声かけに対して、子育て中のお母さん方を中心に年齢も性別も職業も異なる様々なメンバーが集まり、4月から月に1回ミーティングを開きました。私は担当スタッフとしてミーティングの進行をしながら、皆さんから次々浮かんでくるアイデアや確認事項を整理することが主な役割でした。メンバーの中には、小さなお子さんを連れている方もいましたが、メンバーが話し合っている横で遊んでいたり、誰かがそれとなく相手をしたりと、和気あいあいとした雰囲気でミーティングは行われました。メンバーの意見で9月にはイベントをやってみよう、とすぐに方向性が決まりました。また、5月のミーティングでは、“青空=野外で楽しい”と“くるくる=人や笑顔がくるくる”と言う意味をこめ、イベント名を「青空くるくる」、それを実施するメンバーを「青空くるくる実行委員会(以下、実行委員会)」にしようと名称が決まりました。

 

ミーティングを重ねるごとに、イベントに対するみんなのイメージが深まり、「動物を呼びたい」「音楽ライブやトークイベントもやりたい」など様々なアイデアが出て、具体的になってきました。公園としても初めての試みが多く、都市公園としての会場利用ルールや必要な資材等をどこまで公園がサポートできるかなど、皆さんのアイデアを実現するための調整を行いました。


3.主体性をもった活動に広がった「青空くるくる」
「青空くるくる」のイベント「忍者修行」では忍者としても活動した

「青空くるくる」のイベント「忍者修行」では忍者としても活動した

実行委員会の皆さんは大きなイベントを実施した経験のないメンバーが多かったため、私はイベント運営全体に対するサポートをしていましたが、それは最初のうちだけでした。実行委員の皆さんは1人1人の得意分野を活かしながら、自分たちができることは自分たちで準備し、楽しみながら活動を続けていこうという意識が高く、回を重ねるごとにどんどん自主的な動きが活発になっていきました。まちづくり関連の助成金や「青空くるくる」で得た収入を上手く使って必要なものを買い、チラシ作成や配布、出店者への机やテントの貸し出し、音響設営まで今では自前でできるようになっています。こうした実行委員の皆さんのパワーは「大人も楽しい!子どもも楽しい!」という「青空くるくる」の大きな魅力の源になっていると毎回感じています。

 

実行委員会の活動が5年目になった現在では、実行委員の一人が市内に購入した古民家を拠点とし、ミーティングや備品の保管も団体として自立した形で運営しています。そのため、私のサポ―トの形も変化し、公園スタッフとして会場利用にあたって必要な情報のやりとりをするほかは、実行委員の一員として皆さんと一緒にアイデアを出し合い、当日はイベントスタッフの一人として活動しています。公園主催のイベントに実行委員へブース出店の協力依頼をすることもあり、夢の森公園と実行委員はゆるやかにつながる対等な関係となっています。

実行委員会の拠点となっている「青くる」ハウスでの<br/>打ち合わせ

実行委員会の拠点となっている「青くる」ハウスでの
打ち合わせ


4.地域に喜びを生み出す公園でありたい
市民活動のひとつ「森づくり活動」では、日本一の<br>カキツバタの水辺を目指している

市民活動のひとつ「森づくり活動」では、日本一の
カキツバタの水辺を目指している

夢の森公園では青空くるくる実行委員会の他に15前後の市民活動団体が活動しています(2019年11月現在)。既に外部で活動してきた団体が夢の森公園を活動の場の一つとして利用したり、開園前から市民による公園づくりのために組織されたものなど様々で、必要とするサポートも様々です。それぞれの思いがあるからこそ、コーディネートするうえで難しい場面も時にはありますが、どの団体の活動にも共通するのは、青空くるくると同様に「自分たちがまず楽しむこと」そして「他の誰かの喜びや幸せにつながっていること」です。里山の自然を身近に感じられるこの夢の森公園のフィールドが市民に活用されることは、たとえその渦が小さくても、そこに集う一人一人の地域への愛着や人とつながる喜びの種になっていると考えています。私たちスタッフは柏崎が持続可能な地域であるために、喜びが生まれる夢の森公園であり続けたいと思っています。


関連ページ

柏崎・夢の森公園:https://yumenomori-park.jp/

「青空くるくる」ホームページ:https://aokuru.github.io/aozorakurukuru/

※文中に出てくる所属、肩書、情報などは、取材時のものです。(2019年12月掲載)

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