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公園管理運営チャレンジしました
第25回 地域住民の意見を聞きながら公園の魅力を維持・向上させる

第25回目は、個々の公園の性格や特色の違いを明確にした公園整備を行い、だれもがお気に入りの公園を見つけられるように公園を変えていく「足立区パークイノベーション推進計画」を実施する足立区の「チャレンジ!」をお届けします

足立区都市建設部みどりと公園推進室<br/> パークイノベーション担当課長 志田野 隆史さん
足立区都市建設部みどりと公園推進室
パークイノベーション担当課長 志田野 隆史さん

老朽化、ニーズの変化によって改修が必要な公園
区民からの要望もあり、公園のシンボルとなる遊具は補修しながら使い続けていくことに(舎人いきいき公園)

区民からの要望もあり、公園のシンボルとなる遊具は補修しながら使い続けていくことに(舎人いきいき公園)

足立区には、公園・児童遊園が490か所(2020年4月現在)ありますが、似たような公園も多くあり、中にはあまり利用されていない公園もありました。また、少子化の進展と高齢社会の到来、生活スタイルの多様化などの社会の変化を背景に、公園では、ボール遊びをはじめとする様々な課題と、健康づくり、地域コミュニティの場など新しい時代のニーズが見られるようになったことから、改修が必要な公園・児童遊園が多くあります。

 

そのような状況を受け、足立区では、2011年(平成23年)6月に「あだち公園★いきいきプラン(以下、いきいきプラン)」を策定し、区民といっしょに公園をもっと楽しく魅力的なものとしていくため、これからの区の公園づくりのあるべき姿を定めました。2013年からは公園の配置状況が異なる3つのモデル地域において、地域の皆様や学識経験者といっしょになって「地域懇談会」を立ち上げ、それぞれの地域に合った公園の展開方針を検討してきました。モデル地域の一つである舎人駅周辺地域では、2013年からの公園の改修に並行して、2014年から2017年にかけて町会やまちづくり関係者など、公園利用者との地域懇談会で公園に対する意見を聞き、周辺の公園同士で役割分担をした特色のある公園整備を進めることや、公園トイレなどの公園施設の配置計画を作成し、区民の求める公園へと改修を行ってきました。

それらのモデル地域の検証結果を踏まえ、2018年4月に「足立区パークイノベーション推進計(以下、パークイノベーション計画)」を策定しました。


パークイノベーション推進計画
昭和の空き地をイメージし、「にぎわい公園」として改修した舎人十号公園

昭和の空き地をイメージし、「にぎわい公園」として改修した舎人十号公園

年齢層や目的によって利用したい公園が様々ある中、身近な区の小さな公園にたくさんの機能を詰め込みすぎると、公園を安全にご利用していただくことはできません。公園のスペースには限りがあるため、一つの公園ですべてのニーズにお応えするのは困難という課題に直面しました。

パークイノベーション推進計画では、大きさの異なる3つのエリアを設定しています。最も大きいのが自転車を利用していくことのできる範囲を設定した「お出かけエリア」、次が一般の方が歩いて行ける「お散歩エリア」、一番小さい「ご近所エリア」はお年寄りや小さい子供が歩いて行ける範囲で、近接する2~3公園を1つのグループとして設定したエリアです。このエリア設定の中で最も身近な「ご近所エリア」の中で子供が活発に遊んだり大人がスポーツ等をする「にぎわいの公園」と、乳幼児がゆっくり遊べ、みんながベンチでのんびり過ごせる「やすらぎの公園」の二つの役割を偏りの無いように配置していくことにしています。さらに「お散歩エリア」には、5~7つ程度の公園があり、それぞれの公園において「にぎわい」「やすらぎ」に応じた個々の公園の特色を明確にした整備(例えば、「児童の遊び」「健康づくり」「樹林・自然・散策」など8つに分類)を行っています。つまり、「お散歩エリア」の中に異なる特色を持つ公園が複数配置されていることにより、子供からお年寄りまで、だれもが自分が望む過ごし方によって公園を選択できるような魅力ある公園づくりを進めていくことにしました。

 

 

3つのエリアのイメージ図

3つのエリアのイメージ図


できる遊びを明示した看板を設置
イラストを入れたボール遊びルール看板

イラストを入れたボール遊びルール看板

公園を目的に合わせて整備するだけでなく、利用者にも公園のルールを伝えていくために、公園での禁止事項を列挙するだけではなく、「できるボール遊び」を具体的に表示した看板を設置しました。特に子供たちにも分かりやすいように、「ドリブルやトス」「キャッチボールはゴムボールまで」等の「できる遊び」をイラストで掲出しています。

 

足立区では、ボール遊びができる場所として、「野球場」「多目的広場」の他に「ボール遊びコーナー」があり、区民から人気が高い施設となっています。ボール遊びをしない人や周辺に住む区民からは、「ボールが飛んできて危ない」「ボールの音がうるさい」等の意見がある一方、最近では、「子供たちを公園でボール遊びをさせてあげることができないか」との声を多くいただくようになりました。そこで、足立区では、約20m×30mの広さで、約3~4mのフェンスで囲われている「ボール遊びコーナー」を、区内17分割した「お出かけエリア」に1エリアにつき一か所以上整備する取組みを始めました。また、昨年度、舎人町公園(足立区舎人六丁目)では、地域の皆様のご理解をいただき、フェンスの無い公園広場においても「軟式の野球ボールまで」できる地域ルールを作成するなど、区民と意見を交換しながら柔軟な対応を行っています。

2020年1月にボール遊びができる公園をMAPにまとめ、足立区のHPで公開した

2020年1月にボール遊びができる公園をMAPにまとめ、足立区のHPで公開した


区民からの意見を聞きながらの改修
好きな遊具ランキングでは6位だったが、遊んでみたい遊具で1位となり、総合で1位となった迷路

好きな遊具ランキングでは6位だったが、遊んでみたい遊具で1位となり、総合で1位となった迷路

舎人地区での地域懇談会に限らず、足立区では様々な形で区民の意見を聞く方法をとっています。2017年に実施した、足立区にある公園の遊具の人気投票「あだちの公園遊具総選挙」もその一つです。「あだちの公園遊具総選挙」では、2017年10月から12月にかけて、区民から好きな遊具と今後遊んでみたい遊具を46種類の中から投票してもらい、集計し、得票数の多かった遊具を「人気遊具」として公表しました。この結果、職員が予想していなかった「迷路」遊具が一位になりました。

その際、区民から「あの遊具で遊んでみたいけど、どこにあるか分からない。」という声も聞かれたため、総選挙の結果公表に合わせて、投票対象とした遊具の場所を足立区のホームページに掲載しました。

これまでの「区が考えた公園を使ってください」というやり方から、今後は、「区民の皆様からの意見を聞いて公園を整備する」方法に変え、双方向のやり取りをしながら、足立区全体でパークイノベーション計画を進め、より良い公園整備を行い、魅力ある地域の公園づくりをしていきます。

 

 

◆関連ページ

足立区ホームページ魅力ある地域の公園づくり ~パークイノベーション~ とは?https://www.city.adachi.tokyo.jp/midori/pi.html

 

 

※文中に出てくる所属、肩書、情報などは、取材時のものです。(2020年6月掲載)

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過去記事一覧
第26回 地域と協働したプロジェクト
第25回 地域住民の意見を聞きながら公園の魅力を維持・向上させる
第24回 Stay Homeでも公園を楽しむ
第23回 できる人が、できる時に、できることを
第22回 雪を有効活用して公園に笑顔を
第21回 地域をつなぎ、喜びを生み出す公園
第20回 絵本の世界を楽しみながら学ぶことのできる公園
第19回 全国に注目されるゴキブリ展を開催
第18回 大蔵海岸公園のマナードッグ制度
第17回 園内から出た植物発生材をスムーズに堆肥化する
第16回 地域の昔話を学ぶことのできる公園
第15回 公園の看板に一工夫
第14回 地域に貢献する農業公園
第13回 公園のイベントを通して子供たちに「外遊び」を提供!
第12回 生き物の面白さを伝える動物公園
第11回 増大かつ多様化する公園利用者に対応する施設管理
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第4回 最良の門出を祝う「ローズウェディング」
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