第40回目は、都立日比谷公園(東京都千代田区)で、『つなげよう!花とみどりの力で』をテーマに、これからの持続可能な社会を目指して「花とみどりの力」がもつ可能性を提案する「第20回日比谷公園ガーデニングショー2022」の実行委員会事務局を務める公益財団法人東京都公園協会の藤田 幹人さんらの「チャレンジ!」をお届けします。
日比谷公園ガーデニングショー実行委員会事務局の皆様
お話を伺ったのは左前にいる藤田 幹人さん
都立日比谷公園は、幕末までは大名屋敷地でしたが、明治時代に陸軍練兵場となり、その後、都市公園として計画・設計され、日本初の近代的な洋風公園として1903年に開園しました。開園から100年以上経った今もなお、花壇には一年中、色鮮やかな四季の花が咲き、ビジネス街に勤める人達の憩いの場になっています。
2003年には、東京都が主催で開園100周年を記念した「第1回日比谷公園ガーデニングショー2003」を『これからの「NIWA」』をテーマに開催し、36万人を超す多くの人々にお越しいただき、大盛況のうちに幕を閉じました。我々、(公財)東京都公園協会は、2009年から日比谷公園の指定管理を受け持ち、日比谷公園ガーデニングショー実行委員会事務局(以下、事務局と称する)となり、日比谷公園ガーデニングショー実行委員会(以下、実行委員会と称する)とともに継続的に開催してきました。
日比谷公園ガーデニングショー(以下、ガーデニングショーと称する)は、第1回目の開催から多くの来園者にご来場いただいているイベントですが、皆様に毎年お越しいただくためには様々な工夫と努力が必要です。
メインイベントの「ガーデンコンテスト」は、ガーデン部門、ライフスタイル部門、コンテナガーデン部門、ハンギングバスケット部門の4部門に分かれており、審査委員には各部門のエキスパートの方々をお呼びして、審査をしていただいています。第17回目の開催時には、全国17の都道府県から174点もの応募があり、国内でもトップレベルのガーデンコンテストとなりました。応募作品のなかには、地方のガーデンコンテストを勝ち抜いて出品したものもあったそうです。
「ガーデンコンテスト」以外にも来園者に人気のイベントやブースは、たくさんあります。ガーデンコンテストの後に行われる「コンテスト作品ガイドツアー」では、専門知識を持った実行委員会のメンバーが入賞作品のよさや評価された点について説明してくださり、楽しみ方の幅を広げてくれます。その他にも、実行委員会のメンバーと一緒に鉢植えや苔玉の製作体験等ができる「わくわくワークショップ」や毎年多くの企業が出店している「キッチンカー」、東京農業大学の学生らによる「東京農業大学応援団 大根踊り」等のブースを設けて来園者に楽しんでいただける企画を展開してきました。
人気のある「コンテスト作品ガイドツアー」や「わくわくワークショップ」はもちろんのこと、ガーデニングショー全体を盛り上げるために、毎年、実行委員会のメンバーがモチベーションを高く持って楽しみながら活動していただいています。
ガーデニングショーは、事務局だけでなく、実行委員会のメンバーと来園者の皆様とともに作り上げてきた、日比谷公園に欠かせない一大イベントとなっています。
多くの来園者にご来場いただいていたガーデニングショーですが、第18回目の開催となる2020年は、新型コロナウィルス(COVIC-19)の感染拡大に伴い都立公園ではイベントの開催ができなくなったため、17年間継続してきたガーデニングショーも中止にせざるを得ませんでした。しかし、どうしてもガーデニングショーを続けていきたいという思いと、これまでガーデニングショーを楽しみにして、応援してくださった方々への感謝を込めて、オンライン開催をすることを決めました。
オンライン開催ということで、ガーデニングショーのメインイベントの「ガーデンコンテスト」が実施できなかったため、2020年は代わりに日比谷公園内でモデル作品を制作し、その過程の紹介動画を配信する「おもてなしガーデン」を実施しました。紹介動画は、植物の解説や配置の考え方等を丁寧に説明し、初心者の方でもわかりやすいものにしました。また、2021年には特別企画として、「Online シンポジウム」をリアルタイムで配信いたしました。「『花とみどりのライフスタイル』~ガーデニングが向かうもの~」をテーマとして、過去10年間の「ガーデンコンテスト」のライフスタイル部門の入賞作品を振り返りながら、花とみどりのライフスタイルという切り口から、変化していった新たなライフスタイルのあり方を発信しました。
さらに、オンライン開催をするうえで、何よりも大事にしたかったことは、来園者が“ただ見る”だけで終わるのではなく、“参加できる”イベントにすることです。これまで日比谷公園で開催していた時には、現地で皆が参加し、体験することで生まれていた一体感がありましたが、オンラインでただサイトを見るだけでは、これまでのようなリアリティや一体感を感じにくいのではと懸念していました。
そこで参加できるイベントとして企画したのが、過去の「ガーデンコンテスト」の受賞作品の中からお気に入りの作品を投票する「みんなで選ぶガーデンコンテスト」やご自宅のお庭や鉢植え等の写真を投稿していただく「お気に入りマイガーデン・グリーンフォトコンテスト」を実施したところ、参加者の暮らしの中の緑や花を感じられ、オンラインならではの参加型イベントを楽しんでいただけたと思います。
コロナの影響でやむを得ずオンライン開催となりましたが、動画配信を用いた企画等オンラインならではのイベントも実施でき、新たなノウハウを得ることができたことで、事務局も参加していただいた参加者にもよい刺激になったと思います。やはり、現地で開催できることが何よりですが、ガーデニングショーをよりよいイベントにするために、オンラインの経験も活かした新たなガーデニングショーを展開していきます。
ガーデニングショーも今年で20回目を迎え、今回は、待望の3年ぶりとなる現地での開催です。今年のテーマは、『つなげよう!花とみどりの力で』です。メインイベントの「ガーデンコンテスト」は、コロナ対策のため会場の規模縮小ならびに入場者数を制限しなければならず、ガーデン部門を除いた3部門のみで実施します。恒例の「コンテスト作品ガイドツアー」も実施予定ですので是非、足を運んでください。
また、節目ごとに開催しているシンポジウムも本年度は、「日比谷公園ガーデニングショー20周年記念シンポジウム」として開催いたします。開催テーマは、『未来につなげる「花とみどりの力」~トップランナーからの提言~』で、シンポジストに「小島 理恵氏(株式会社Q-GARDEN 代表取締役)」、「竹内 智子氏(千葉大学園芸学研究院・大学院園芸学研究科・園芸学部 准教授)」、「平賀 達也氏(株式会社ランドスケープ・プラス 代表取締役)」の3名をお迎えして、日比谷公園ガーデニングショーの発展につながるシンポジウムを目指します。
他にも「キッチンカー」をはじめとするおなじみのブースから、ガーデニングをする時のファッションを追求した「ガーデニングファッションショー」等など、花とみどりの演出がガーデニングショーを盛り上げて彩ります。
現地で来園者と交流できる待望のイベントに、事務局スタッフも実行委員会のメンバーも皆、現地開催ができた2年前のことを思い出しながら、絶対に実現させたい気持ちで準備しております。お越しくださる皆様には、癒しや楽しさ、元気につながる花と緑の企画を体験していただきたいと考えています。
スタッフ一同、コロナウイルス感染症対策を万全にして皆様のご来園を心待ちにしていますので、今年はぜひ現地に遊びにいらしてください。
第50回 公園散策を楽しめるセルフガイドマップ(新宿中央公園)
第49回 ステキな公園はスタッフの健康から「‘キラリ’健康プロジェクト」(国営みちのく杜の湖畔公園)
第48回 中学生の提案から始まった、ボール遊びができる公園の整理(千葉県船橋市)
第47回 公園の魅力を見つめ直して「秋のライトアップ」できっかけづくり(足立区花畑公園・桜花亭)
第46回 “五感”を満たす空間づくり ~統一感あるデザインと、一貫したコンセプトを守っていく~ (いばらきフラワーパーク)
第45回 サステナブルな堆肥づくり「バイオネスト」の可能性 (国営木曽三川公園 138タワーパーク)
第44回 都心に残るゲンジボタル(国立科学博物館附属自然教育園)
第43回 大池公園さくら再生プロジェクト!(大池公園)
第42回 初の産学連携!地元の高校生と協同で商品開発!(稲毛海浜公園)
第41回 冬の新宿を彩るCandle Night @ Shinjuku(新宿中央公園)
第40回 20年目を迎える「第20回日比谷公園ガーデニングショー2022」を開催(都立日比谷公園)
第39回 多様な生き物と人が集まるビオトープを作る!(国営アルプスあづみの公園)
第38回 いにしえの植物を万葉歌と共に楽しむ 万葉植物画展「アートと万葉歌の出逢い」(平城宮跡歴史公園)
第37回 来園者も参加する獣害対応防災訓練(静岡県立森林公園)
第36回 「みどりの価値」を指標化し、「こころにやさしいみどり」をつくる(株式会社日比谷アメニス)
第35回 時代のニーズをとらえた花畑を(国営昭和記念公園)
第34回 身近な公園でパラリンピック競技を体験する(むさしのの都立公園)
第33回「写真を撮りたくなる」公園づくり(小豆島オリーブ公園)
第32回 「自然学習」アプリは「広い園内で遊べる」ツール(国営昭和記念公園)
第31回 Onlineでも環境教育を(Project WILD)
第30回 コロナ禍でも市民と共に活用できる公園(兵庫県立尼崎の森中央緑地)
第29回 音楽に親しむ公園の「森のピアノ」(四万十緑林公園)
第28回 植物に関するミッションでリピーターを増やす(小田原フラワーガーデン)
第27回 猛威を振るう外来のカミキリムシを探せ(栃木県足利市)
第26回 地域と協働したプロジェクト(播磨大中古代の村(大中遺跡公園))
第25回 地域住民の意見を聞きながら公園の魅力を維持・向上させる(東京都足立区)
第24回 Stay Homeでも公園を楽しむ(国営武蔵丘陵森林公園)
第23回 できる人が、できる時に、できることを(諫早市こどもの城)
第22回 雪を有効活用して公園に笑顔を(中山公園)
第21回 地域をつなぎ、喜びを生み出す公園(柏崎・夢の森公園)
第20回 絵本の世界を楽しみながら学ぶことのできる公園(武生中央公園)
第19回 全国に注目されるゴキブリ展を開催(磐田市竜洋昆虫自然観察公園)
第18回 大蔵海岸公園のマナードッグ制度(大蔵海岸公園)
第17回 園内から出た植物発生材をスムーズに堆肥化する(国営木曽三川公園)
第16回 地域の昔話を学ぶことのできる公園(坂出緩衝緑地)
第15回 公園の看板に一工夫(国営讃岐まんのう公園)
第14回 地域に貢献する農業公園(足立区都市農業公園)
第13回 公園のイベントを通して子供たちに「外遊び」を提供!(雁の巣レクリエーションセンター)
第12回 生き物の面白さを伝える動物公園(多摩動物公園)
第11回 増大かつ多様化する公園利用者に対応する施設管理(国営ひたち海浜公園)
第10回 弘前公園のサクラを後世に引き継ぐ(弘前公園)
第9回 未来につづく公園づくり(大野極楽寺公園)
第8回 生き物にふれあえる公園づくり(桑袋ビオトープ公園)
第7回 発生材を有効活用する(公益財団法人 神奈川県公園協会)
第6回 幻の青いケシ(国営滝野すずらん丘陵公園)
第5回 「街路樹はみんなのもの」という意識を(東京都江戸川区)
第4回 最良の門出を祝う「ローズウェディング」(国営越後丘陵公園)
第3回 感謝の気持ちを伝えるくまモン(水前寺江津湖公園)
第2回 ふるさと村で人形道祖神を紹介(国営みちのく杜の湖畔公園)
第1回 様々な競技会にチャレンジ!(国営木曽三川公園)