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森の育ち場のスタッフ<br/>後列:左からさーこ、アリー、かもにい<br/>タカ 前列:ひかる、あゆむ(スタッフの子どもたち)

森の育ち場のスタッフ
後列:左からさーこ、アリー、かもにい
タカ 前列:ひかる、あゆむ(スタッフの子どもたち)

 

「森の育ち場」では、これまで幼児教育を中心に行ってきましたが、「いっぽいっぽ」を卒園した子どもたちの次のステージを考えて、2020年4月に小学校の「オルタナティブスクール」(もう一つの学校)として「風の森のしょうがっこう」を開校しました。

 

「風の森のしょうがっこう」は、文部科学省の学習指導要領に沿ったカリキュラムや特定の校舎、教科書は無く、学びの場は山田緑地や市営キャンプ場、風の森農園などを拠点としながら、身近な森や川、また博物館や図書館などどこへでも出かけていきます。「風の森のしょうがっこう」は、文部科学省の通知に基づき、子どもたちは地域の公立の小学校に籍を置きながら「風の森のしょうがっこう」に通って学ぶことで「出席扱い」となる仕組みです。

 

「いっぽいっぽ」と同じく、「風の森しょうがっこう」でも子どもたちのやりたい気持ち、好奇心を起点として活動しています。小学生の活動場所は毎日、子どもたちと相談して決めています。風の森農園と名付けた畑を拠点に、広い場所で野球やサッカー、紙飛行機を飛ばしたい、長い距離を思いきり走りたいとなったときには山田緑地に行ったり、しっかり調理をしたいときには市営キャンプ場を利用したり、調べたいことがあるときには図書館に行ったり、様々な場所を学びの場としています。自分の中から湧き上がる、知りたい!調べたい!やってみたい!という気持ちは、学びを深め、また様々な学びへと広がりを見せます。大人が決めた学習やプログラムではなく、子どもが「知りたい」「やってみたいこと」をとことん応援する場を作っていくことが、私たちの役割です。

 

今、全国に不登校の子どもが多いことが社会問題になっていますが、教育の場が多様になることが重要であると感じています。「風の森しょうがっこう」の中には、公立小学校での不登校を経験した子もいましたが、どの子もここではイキイキとした表情で過ごしています。不登校=ネガティブなイメージがありますが、既存の教育システム以外での学びを選択していると考えています。学びの場が多様になり、どこで学ぶか、どのように学ぶか、何を学びとするのかを選択できるようになったとき、社会とつながりながら一人ひとりの学びを保障することができるのではないでしょうか。

 

「森の育ち場」と同じような活動がしたいという人からの相談もあります。過去には、年間の活動を通して、理念や教育方針を共有・実践するOJT(現場実習生)を受け入れていたこともあります。一昨年度からOJTを経て、スタッフを経験した方が、地元(山口県)で「森のようちえん」を立ち上げました。

 

今後も子どもたちの学びの場が多様になり、誰もが健やかに育つ場が増えていくことを願っています。

 

関連サイト

◆森の育ち場 ホームページ

https://www.sodachiba.jp

◆山田緑地 ホームページ

https://www.yamada-park.jimdofree.com

 

※文中に出てくる所属、肩書等は、取材時のものです。(2022年9月掲載)

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過去記事一覧
45 手ごわい放置竹林から広がる可能性と人のつながり
44 公園で行う表現活動は「誰かを力づけている」(せりがや冒険遊び場:東京都町田市)
43 市民団体の力で「やりたいこと」を実現(あぐりの丘:長崎県長崎市)
42 自然の中での主体的な遊びが、学びと成長につながる(山田緑地:福岡県北九州市)
41 次世代に、そして子供たちへ、遊び場づくりのバトンをつなげたい(徳島県阿波市阿波町)
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用(小山総合公園、生井桜づつみ公園、城山公園:栃木県小山市)
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる(千葉県柏市)
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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