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若者になっても大切な居場所

「たごっこ」に来る参加人数は、活動4~5年目の頃は親子合わせて50~70人でしたが、現在は平均20~30人ほどです。減少の理由としては、肌感覚ですが、三つほど考えられます。何よりも大きいのは、公園や川での外遊びに魅力を感じる子供が減ったことです。私たちNPOでは、前述したとおり室内の居場所「おもしろ荘」も開いていますが、こちらは連日、大賑わいなのです。子供のこうした変化は、子供自身の変化というよりは、我が子に外遊びを勧める保護者が減ったのが原因ではないかと考えています。

二つ目は、あえて謳った訳ではないのですが「たごっこ」は、非社会的行動や反社会的行動と呼ばれる行動をする子供であったり、不適切な養育家庭の子供、貧困家庭の子供、いじめにあっている子供、障害のある子供といった生きづらさを抱えた子供たちを受け入れる居場所になっていったと同時に、そうした子供が行く場所という評価が我が子はそうではないと考えている保護者に広まっていったからだと考えています。

また、活動は丸14年となり、例えば10歳で来ていた子供は24歳になっています。小学生のときに「遊び場」として来ていた子供たちが思春期以降も、そして二十歳を過ぎても「居場所」として来てくれるようになりました。思春期の子供、成人した若者の数が増えて、単なる子供の「遊び場」という感じから、子供・若者の居場所という感じに変化していったことも「健全な」子供の行き場所を求める保護者の目には、我が子を行かせる場所ではないと映るようになったのでしょう。

参加者の内訳は、義務教育修了の15歳以降の子供・若者の比率が高くなってきています。15歳以降の子供・若者は、大半が小学生の時から継続して通っています。成人しても彼らにとって「たごっこ」は大切な居場所なのです。とくに学校時代に受けたいじめや職場での無理解な扱いにしんどさを抱えている障害のある若者や職を転々としたり、就労がうまくいかなかったりしている若者は、「たごっこ」の活動日を楽しみにしていて、今抱えているしんどさを軽減させていると言います。

 

中学生・高校生をボランティアにすることもありませんし、成人以降の若者に補助スタッフとしての動きを求めることもしていません。大人が安らぎや寛ぎを求めて行く居酒屋や喫茶店のように、いくつになっても、「たごっこ」を居場所として感じていてほしいからです。10~20代の子供・若者は、公園に来て仲間とおしゃべりをしたり、小さい子供の遊び相手になったりしています。また、夏は木陰で、冬は焚き火を囲んで、私達に今も抱えているしんどさをつぶやいていくこともあります。ボランティアとしての役割は誰にも求めていませんが、お手伝いをしてくれる子供・若者が多いです。自分の居場所になっているから、私達が何か作業をしていたりすると、すぐに気が付いて、自然と手伝おうという気持ちになるのでしょう。初めて来たような子供に優しく接してくれるのも自分が居場所としている「たごっこ」を他の子供にも好きになってほしいからだろうと感じます。

 

また、「たごっこ」に通い続けていた子供たちの中には、国公立大学や有名私大に進学する子供たちも少なくありません。もちろん、大学進学そのものが素晴らしいこと、優れたこととは思っていませんが、子供のころに「たごっこ」で外遊びに夢中になっていた子供たちは志を持って大学へ進学していることに喜びを感じます。大規模災害の防災・減災に携わりたいから工学部へ、土壌改良、水質改善に携わりたいから農学部へ、離島で医者になりたいから医学部へ、まちづくりに携わりたいから総合政策部へといった感じで子供たちは自分の進路を決めていきます。多種多様な子供たちが「たごっこ」という居場所に同居できるのも特徴の一つです。「たごっこ」にはいじめも差別も排除もなく、誰もが仲間として認め合える居心地の良さがあるので大学生や社会人になった今でも、参加したくなるのだと思います。

 

いくつになっても、しんどさを抱えた子たちが「たごっこ」に来てくれる以上、私と妻は何時間でも彼らと向き合います。

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過去記事一覧
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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