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自ら歩いて地図の土台づくり

今から3年程前、エコ工房と新たな企画を考えていたとき、市の担当者から「生き物マップを作りたい」という話が挙がりました。元々、市の環境教育や環境保全の担当者とは、自然観察会の活動で接点があり、「ちくぜんらく」の活動は理解されていました。自然観察会では、毎回振り返りを行い、その日に見た生き物を記録しています。「生き物マップ」を作ることは、これまで約7年、蓄積された観察記録の集大成になります。

 

 

当初は「地図=紙」を想定しましたが、紛失や汚れのリスクが少ないクリアファイルとの組合せを考えました。内容が具体化してきた時、タイミング良くエフコープ(エフコープ生活協同組合)による環境助成金への助成団体募集の情報が入りました。会として早速応募して「いきものマップ」についてプレゼンをしたところ、見事、助成金を獲得することができました。

 

 

健康の森公園の土台となる地図作りからスタートしたのですが、これには苦労しました。基礎データとなる市の地図では、健康の森公園内の園路の詳細が分からず、結局、自ら歩いて図面を引くことにしました。スマホでGPSとGoogle Mapを使い、位置と場所を確認しながら園路を歩き、子供たちと一緒に観察したむしや鳥などの生き物がいた場所を何往復も歩いてログをとりました。

 

 

生き物とは別に最も注意を払ったのが木の位置です。木は航空写真と照らし合わせて、地図に記しました。クリアファイルには常に存在する道と木を描き、シートに季節ごとの草本や開花、結実などの情報、むしや鳥、きのこなどの名前をアイコンとともに記載しました(図1)。

 

図1 作成した「いきものマップ」

図1 作成した「いきものマップ」

表 生き物マップの内容

 

「いきものマップ」のデザインは、飯塚市で絵画教室を主宰する画家の坂本鷹也さんに依頼しました。マップに載せるアイコンのサイズは約2ミリ。パソコンでは400倍に拡大して作業したそうです。

 

 

 

2019年3月、「飯塚いきものマップ」(飯塚市健康の森 春・初夏版)が完成しました。翌月の4月から、「いいねん!」の参加者はもちろん、環境教育の授業がある市内の小学4年生全員(約1300人)に配布しました。さらに今年(2019年度)もエフコープの助成金を得て夏版を作成しました。

 

 

子供たちは「いきものマップ」を手に持ち、公園を歩きながらじっくり観察しています。高校生からは「クリアファイルがかっこいい!」と言ってもらいました。そして保護者たちからは、クリアファイルのデザイン面に惹かれ、初めて健康の森公園に行き、描かれている生き物を探したという話を聞きました。クリアファイルと組み合わせた「いきものマップ」は、素晴らしいデザインのおかげで多くの市民から好評でした。

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過去記事一覧
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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