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堆肥の運用にチャレンジ

池田さんの会長時代は、池田さんに観察会の資料作りから講師役までを担っていただきました。その後も活動内容に変化がなかったため、2017年からは「皆で行動しよう」を方針に掲げました。自然観察のほかに、メンバー全員が継続して取り組めるものを模索していた時、園内に植生するヨシが、やせ細り、元気がなくなっていることに気付きました。尾久の原公園では、ヨシやガマを定期的に刈り取り、園外で処分していたため、有機物が足りなくなり元気がなくなったのではないかと考えました。そこで、これまで園外で処分していた発生材を材料にして堆肥を作り、園内の植物に還元してはどうか、と考えました。そのきっかけとなったのが2016年夏に実施した足立区にある桑袋ビオトープ公園(以下、桑袋ビオトープ)の見学会です。

桑袋ビオトープは、恵まれた自然環境の中で、希少な生き物や植物を管理している素晴らしい公園です。とくに植物発生材を元に作った堆肥をリサイクルしていたのが印象的で、尾久の原公園でも同じような取り組みができないかと考えました。

「もっと堆肥について学びたい」と、同年の秋に2度目の見学会を行いました。このときは尾久の原公園のスタッフも参加してくれました。桑袋ビオトープの担当者には、堆肥場の見学も含め、園内で行っている堆肥の運用についてとても分かりやすく丁寧に説明していただきました。この日の見学会を機に、会の活動テーマは「堆肥の運用」に決まりました。

尾久の原公園での堆肥の基は、現在植生しているヨシの活用を予定しています。いずれは桑袋ビオトープのような堆肥の循環も視野に入れて研究していきたいと思っています。尾久の原公園は過去の土壌汚染処理の影響で、杭を深く打てない、土壌を掘ってはいけない等の制約があるため、尾久の原公園の中での堆肥運用の実現には時間が掛かるかもしれませんが、長い目で取り組んでいきます。

会の活動は今年で17年目を迎えます。これまで長く継続できたのは、活動そのものが楽しいからです。そして自然を愛する仲間たちが自由に参加できる会の雰囲気と、メンバー同士がおしゃべりする拠点「フェルメール」の存在が大きいと思っています。今後は堆肥について勉強をして、いまある希少な自然を大事に見守り、後世に残していきたいと思っています。そのためにも若いメンバーの入会を期待しています。

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過去記事一覧
45 手ごわい放置竹林から広がる可能性と人のつながり
44 公園で行う表現活動は「誰かを力づけている」(せりがや冒険遊び場:東京都町田市)
43 市民団体の力で「やりたいこと」を実現(あぐりの丘:長崎県長崎市)
42 自然の中での主体的な遊びが、学びと成長につながる(山田緑地:福岡県北九州市)
41 次世代に、そして子供たちへ、遊び場づくりのバトンをつなげたい(徳島県阿波市阿波町)
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用(小山総合公園、生井桜づつみ公園、城山公園:栃木県小山市)
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる(千葉県柏市)
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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