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その日の「やりたいこと」は自ら考え、創造、行動する力を育む

現在、幼児の部「いっぽいっぽ」は、年長(男児:6人、女児:1人)が7人、年中(男児3人、女児1人)が4人、年少(男児3人、女児2人)5人、未就園児1人が子連れ勤務中のスタッフの子どもとしてともに参加しています。スタッフは3人(女性2人、男性1人)です。一人は妻であり創設メンバー。一人は「いっぽいっぽ」の保護者を経て「森の育ち場」の理念と在り方に惚れ込んでスタッフに。もう一人は、まったくの異業種の企業で活躍していましたが、自分の人生、働き方、家族との時間、本当の幸せ・・・そんなことを考えた時、「森の育ち場」のスタッフ募集を知り、熱い想いを持ってスタッフとなりました。このような活動には特別な資格が必要と思われる方もいるかもしれませんが、「いっぽいっぽ」は認可保育施設や認可外保育施設ではないため、保育士などの資格に縛られることなく想いを同じくするスタッフで運営しています。スタッフの条件は、資格よりも子どもたち一人ひとりとどう向かいあうかであり、その存在を丸ごと認めていこうとする姿勢です。

 

子どもたちは私のことを「かもにぃ」と呼び、他のスタッフのことも「げんさん」や「アリー」といった愛称で呼んでいます。私たちスタッフは「先生」ではありません。もちろん安全面や見守りのサポートは大前提ですが、子どもたちに対しては「褒めない・叱らない・認める」をモットーとし、その子の主体性を伸ばし、自己肯定感を育むことを大切にしています。

 

週5回の活動内容は、保護者の送迎による登降園の時間、1日の始まりと終わりの2回のミーティング以外は、何も決まっていません。朝のミーティングで、みんなに聞いてもらいたいことなど今の気持ちを聴き合い、子どもたちがその日にやりたいことを確認します。その日に挙がったやりたいこと、例えば「木登り」「絵を描く」「ガマの池に行く」「虫を探す」など、子どもたちそれぞれの「やりたい」が活動になります。大人が設定した環境やプログラムではなく、子どもたち自身が遊びやルールを決めることで、社会性が養われ、集中力が高まります。そしてさまざまな遊びを通して、一人ひとりが必要とする知識を伸ばし、感性が磨かれます。

 

「いっぽいっぽ」に入園当初の子どもたちは、不整地でよく転びますが、半年もすると、足腰が鍛えられ転ばなくなります。また、私たちスタッフは、子どもたちの気持ちを丁寧に聞くことを心掛けています。子どもたちもお互いの気持ちを理解しようとして、しっかり聴こうとします。率直な気持ちを伝え、聴き合う関係の中で過ごしている子どもたちは、自分の気持ちを真っすぐに表現できるため、気持ちと気持ちのキャッチボールが成り立つ会話ができます。そして、遊びやルールを自分たちで作っていくことで、コミュニケーション能力や相手の気持ちを理解する心が養われます。

 

「みんなでいっぽいっぽ」では、大人も夢中!

「みんなでいっぽいっぽ」では、大人も夢中!

 

 

■「いっぽいっぽ」の概要

対象:満3歳児から5歳児(年長)

実施日:月曜日から金曜日(週5回)

活動場所:月、火曜日は市営キャンプ場、水、木、金曜日は山田緑地

定 員:15人

 

■1日の流れ

・9:30 登園

・10:00 おはようミーティング

(聞いてほしいこと、困っていることなどを聴き合う、それぞれの今日やりたいことを確認する)

・11:30~13:00 それぞれのタイミングでお弁当。(おなかが空いた感覚、遊びの区切りなど、自分で感じ、自分で決めることを大切にしています。)

・14:00 お片付け

・14:15 さよならミーティング

(今日の遊びや出来事を通して感じた気持ちを聴き合う)

・14:45 降園

なお、「いっぽいっぽ」では、毎月第一日曜日に、「みんなでいっぽいっぽ」という保護者や入園者の兄弟姉妹の参加日を設けています。子どもたちと同じように、保護者も自分の気持ちを起点に活動してもらいます。山田緑地の自然の中で、大人も子ども以上に楽しむ姿が見られます。

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過去記事一覧
45 手ごわい放置竹林から広がる可能性と人のつながり
44 公園で行う表現活動は「誰かを力づけている」(せりがや冒険遊び場:東京都町田市)
43 市民団体の力で「やりたいこと」を実現(あぐりの丘:長崎県長崎市)
42 自然の中での主体的な遊びが、学びと成長につながる(山田緑地:福岡県北九州市)
41 次世代に、そして子供たちへ、遊び場づくりのバトンをつなげたい(徳島県阿波市阿波町)
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用(小山総合公園、生井桜づつみ公園、城山公園:栃木県小山市)
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる(千葉県柏市)
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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