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「砂場」研究の第一人者、笠間浩幸先生との出会いがきかっけに

私はこれまで30年以上、保育士という仕事を通して多くの子供やその母親たちと関わってきました。そんな中、東日本大震災<2011(平成23)年3月11日>が起こり、その後思いも寄らない原発事故に見舞われたことで、子供たちの生活環境が一変してしまいました。

外遊びができないことによる肥満や運動能力の低下、ストレスなどの健康問題を解消することが福島の子供たちにとって緊急課題となり、子供の心身に関する研修も数多く開催されました。2012年3月11日に開催された「郡山市震災後子どもの心ケアプロジェクト1周年記念フォーラム」での講演「砂場の力」で、笠間浩幸先生(同志社女子大学教授)とお話をする機会を得ました。この出会いが、私にとって大きな転機となりました。

 

屋内砂場で子供たちに笑顔が戻る

福島県内には、国や行政、企業の支援などにより、たくさんの屋内遊び場が作られました。中でも、砂場を設置した施設からは、嬉しい報告が続々と届きました。子供たちが本来の子供らしさを取り戻し、いきいきと砂遊びにのめり込んでいるということ。そして、そんなわが子の姿に、固く閉ざされていた母親たちの心が開き始めたようだということ。

 

砂遊びは、子供の発達に合わせて、[感覚を楽しむ初期段階][社会性、コミュニケーションをが育まれていく段階]、更には[アートとしてしての砂遊びを楽しむ段階]まで多岐にわたる遊びができます。幅の広い遊びができるから子供は砂遊びに熱中し、心身の発達においても重要な遊びだと私たちは考えています。また、子供の砂遊びを見守る大人がコミュニケーションをとりやすい構造であることも、砂場の大きな特徴であるといえます。
私は、長年にわたる保育を通し、砂場の大事さをわかっていたつもりでした。しかし、それはあまりにあたりまえな存在でしかありませんでした。原発事故による屋外活動からの遮断という状況が起き、初めて、砂場がどれほどかけがえのないものであったかを思い知らされました。そして、「この大切な育ちの場を、いつ・どんな時代も、ちゃんと子供たちのそばに置かなければ!」という思いを強くしました。

以下に、福島市内で実施された講演会や新しくオープンした屋内遊び場での状況を紹介します。
 

 

201299日 福島市子育て支援推進事業 子育て講演会

講師 笠間浩幸先生 「乳幼児期の砂遊び ~砂遊びが育てる子どもの心と体~」

福島市に住む子育て中の市民、子育てにかかわる人を対象とした講演会で、砂場の効果についての笠間先生のお話に、「やっぱりそう!」「大事だったんだ!」「取り戻していかなければ!」と会場中の市民、指導者が、砂場や砂遊びのもつ“力”に心を揺さぶられました。講演後、いても立ってもいられなくなり庭に砂場を手作りし、砂遊びから遠ざけてきたわが子(4歳)が、生まれて初めての遊びに嬉々とする姿に涙したというエピソードも寄せられました。

 

2012929日「福島市さんどパーク」オープン

福島市に、砂場や各種運動遊び・イメージ遊び・乳児コーナーを配した屋内遊び場がオープンしました。砂場の利用者の中に、1歳の赤ちゃんを連れた夫婦がいました。「砂遊びってもっと大きくなってからと思っていたけれど、笠間先生の講演を聴いて、ワクワクしながらこの日を待っていました」とのこと。赤ちゃんが恐る恐る砂に触れた瞬間、若いパパとママはとても幸せそうに顔を見合わせていました。

 

2013年11月15日「福島インドア砂場サミット」開催

県内各地の屋内砂場の関係者や遊具業者、設計士、建築家、こども環境学会メンバー、行政担当者らが集り、屋内砂場の衛生管理・運営方法などについて意見を交換し、情報や課題の共有を図りました。どの自治体、団体からの発表においても強調されたのが、砂場の重要性の発見・再認識でした。


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過去記事一覧
40 3公園でキャンプ まちづくりとして活用
39 科学を通じて地域の人々と研究者をつなげる
38 北海道の公園で「やってみたい!」を実現(恵庭ふるさと公園:恵庭市)
37 土器づくりを通じて縄文文化を学ぶ(三ツ池公園:川崎市)
36 公園を地域住民の手で心地よい場所に変えていく(熊野公園:東村山市)
35 次世代のために故郷の自然環境を守り、伝えていく(亀山里山公園「みちくさ」:亀山市)
34 公園は楽しい学びの場!「サバイバルピクニック」、「地域住民による公園づくり」(都立野川公園:東京都)
33 外遊びの楽しさを伝えていく(柏崎・夢の森公園:柏崎市)
32 筑豊の自然を楽しむ会(健康の森公園 他:飯塚市)
31 自然を愛する仲間との森づくりボランティア(びわこ地球市民の森:守山市)
30 野外人形劇で、公園に広がった笑い声(水前寺江津湖公園:熊本市)
29 公園での新たな遊び「珍樹探し」(国営昭和記念公園:立川市)
28 子供たちの居場所で、寄り添い、見守り続ける(柳島公園:富士市)
27 市民とともに育て続ける公園を目指して(安満遺跡公園:高槻市)
26 砂場から広がった子供たちの笑顔(福島市内 他:福島市)
25 造園業者と子供たちがつくる 公園でのコミュニティ(京坪川河川公園(オレンジパーク):舟橋村)
24 子供と子育て世代の目線で再生されたゴーカートのある公園(桂公園:十日町市)
23 市民による、市民のための花火大会(伊勢原市総合運動公園:伊勢原市)
22 かかしで地域を活性化 海外も注目する山里(かかしの里:三好市)
21 市民の手によって「つくり続ける公園」(みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園):神戸市)
20 下町に残る、手つかずの自然を守り、育てる(尾久の原公園:荒川区)
19 絵本、ケルナー広場を通して、子供たちの成長を見守る(ケルナー広場:高崎市)
18 生かされていることを実感 自然と一体になれるサップヨガ(国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ:稲沢市)
17 震災後、市民の手によって再生された西公園(西公園:仙台市)
16 住民の心をつないだ3万個のキャンドル(大栗川公園:八王子市)
15 市民がつくり、見守る広場(朝霞の森:朝霞市)
14 満月BARで公園の非日常を楽しむ(西川緑道公園:北区)
13 わらアートで、地域に笑顔と一体感を(上堰潟公園:西蒲区)
12 再生物語を支えるボランティア組織「MEG」(七ツ洞公園:水戸市)
11 公園が図書館に変わる「敷島。本の森」(敷島公園:前橋市)
10 公園に地域の人が集う「はじっこまつり」(和田公園:杉並区和田)
09 トンボの魅力を子供たちに伝える(西岡公園:札幌市)
08 「朝市」で公園がコミュニケーションの場に(茅ヶ崎公園野球場:茅ヶ崎市)
07 「スポーツ鬼ごっこ」を通じて 子供たちの居場所づくりを実現(しらかた広場:松江市)
06 高齢者、障がい者に公園案内 ボランティア側も癒される(大泉緑地:堺市)
05 仲間と共に成長してきたみはまプレーパーク(みはまプレーパーク:千葉市)
04 地域で子供たちを育成・指導 地元の公園でイルミネーション作り(宇部市ときわ公園:宇部市)
03 公園がアートな空間に生まれ変わる日 あそびの重要性を考える「アートパーク」(松戸中央公園:松戸市)
02 子供たちにワークショップで地域貢献 公園での活動は発見の連続(松戸中央公園:松戸市)
01 自然環境は、利用しながら保全する(国営ひたち海浜公園:ひたちなか市)


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