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生きもの小話
I LOVEイモリ💗

イモリと聞いて皆さん何を思い浮かべるでしょうか?壁についている灰色のやつでしょ!と思ったそこのあなた!!それはヤモリです・・・今回はヤモリと混同されがちなイモリのことについてお話させていただきます💗

 

イモリは両生類で、その多くが水中や水辺、湿った森林の中で暮らしています。簡単に言うとカエルを細長くして尻尾を付けたような生き物です。

私はイモリが好き過ぎて、10年ほど共に暮らしています。社会人になってからは自宅にイモリ専用部屋を設けてしまったほどです。一般に知られていない彼らの魅力と暮らしぶりを知ってもらいたくて公園のイベントでも度々取り上げています。

今回はそんなイモリと公園に来るお客様との触れ合いやイベント活用についてご紹介させていただきます。

 

世界には様々な形や色のイモリが生息していますが、日本には「アカハライモリ」、「アマミシリケンイモリ」、「オキナワシリケンイモリ」、「イボイモリ」の4種類が生息しています。

 

本州でなじみ深いのは、黒い背に赤と黒の斑模様のお腹が特徴の「アカハライモリ」です。主に田んぼから渓流まで多様な水環境にくらすアカハライモリですが、私の勤務する国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区にあるビオトープでも、たくさん見ることが出来ます。

 

私がイモリを見たいから&お客様サービスの向上のため、2020年の1月からビオトープの生き物調査と整備をスタートさせました。その成果もあって今年3月には生き物のため通年水が溜まるように工事が実施されました!

今年の7月から9月に計3回、イモリを含む水生生物をテーマとした観察会を実施したところ、たくさんの方々にご参加いただきました(計62名)。8月の観察会は「変態する生き物!イモリとゲンゴロウ探し」というタイトルで募集開始をすると数日で満員になり、ほんとに嬉しかったです。

 

水中で暮らしていた子イモリも夏の終わりには陸の世界に旅立ちます

水中で暮らしていた子イモリも夏の終わりには陸の世界に旅立ちます

 

観察会当日は生き物が大好きな子どもたちがたくさん参加してくれました。意外にも初めて野生のイモリを見たという子が半数で初イモリに大興奮の様子でした!

当日は、幼生・上陸後の幼体・成体と卵以外の全ての状態を見ていただき、派手な赤と黒のお腹の成体は、子どもたちに大人気でした。この派手な色合い(警告色)は、他の生き物に対しては「毒があるぞ!」という強いアピールになるのですが、子ども達にはまったく効きません。アピールが効くと思っているであろうイモリの気持ちを考えると私にとっては面白い光景でした。

 

網を水中に入れると濁ってしまうため、
まずは網を入れずに生き物の自然な暮らしぶりを覗きます

 

赤と黒のお腹が素敵なアカハライモリ、 毒を持っているアピールも子供たちには通用しないようです

赤と黒のお腹が素敵なアカハライモリ、
毒を持っているアピールも子供たちには通用しないようです

 

参加者にとって、人生初めてのイモリを自分の企画したイベントで見てもらえたことが嬉しくて、なんだか家に帰ってもしみじみしちゃいました・・・。大人になってからもイモリを初めて見た時のことを思い出してほしいです。イモリを愛する私からのささやかな願い事です。

 

魅力たっぷりなアカハライモリですが環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧に指定されていて、地域によっては数を減らしている種です。土地の開発や人間の暮らし方の変化が大きな原因となっています。観察会ではそんな現状やイモリを始めとした水生生物が必要とする環境の特徴などもお話しています。お話を聞いた子どもたちが生き物好きのまま育つとは限りませんが、例えば川でBBQの道具を洗剤で洗ってしまおうかな~とか悪い心が芽生えた時に「いや待てよ、この川にはたくさんの生き物が住んでいるぞ!洗剤を流したら生き物たちが困るかもしれない!」なんてふと頭の片隅によぎってくれれば良いなと思います。

 

観察会1つで世の中何か変わるわけではないと思いますが、誰かの一生のうちの一回でも生き物にとって良い選択ができるきっかけになれば嬉しいなという気持ちでやっています!

 

生きものにとって良い選択なんて大きなことを書きましたが、本当のところを言えば生き物が好きなことで自分の見る世界の解像度が上がるから絶対お得だと思っています。歩いていて何気ない景色が植物や動物のことを知っていることで、ただの景色ではなく個として見られるようになり何倍も楽しくなるはずです。私自身生き物が好きなために舗装の隙間に生えている雑草を見ているだけでも楽しいですし、虫なんて見つけた日には地べたに這いつくばってご機嫌になれちゃいます!

他の好きを持つ人たちも多分こんな風に日々考えながら過ごしていると思うのですが、好きなものがあるということは確実に人生を楽しくしてくれます。私の家族もそれぞれ好きがあって、それがゲームであったり食虫植物であったり色々なのですが楽しい気持ちの源になっているようです。

 

私は生き物の観察イベントを企画することが多いのですが、それらのイベントが子どもたちの「これが好き」という気持ちをたくさん伸ばしていける場所にしたい。それが一般的に嫌われるような生き物であっても何であっても尊重されるべきだと常に思っています。

 

そんなこんなでイモリに取りつかれている私はイモリを愛する同志を増やすために、日々努力を続けたいと思います。そして、イモリや他の水生生物への理解を深め親しんでもらうため、沢山の生き物が息づく公園であってほしい!という願いを込めて、生き物に溢れたビオトープの整備とその活用に、今後も引き続き奮闘していきたいと思います。

 

現在は、残念ながら安全管理上、観察会などイベントを開催しない限りビオトープへの立ち入りは禁止となっています。私のイモリ愛はそんなことではめげません。立ち入れない時もイモリ含め素敵な生き物たちの魅力をアピールするために様々なツールを考え作成しています。

 

イモリに興味が湧いた方、是非国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区にお越しください!

 

つぶらな瞳と美しくしなやかな体を持った可愛いイモリ達が、皆様をお待ちしております!

 

(2021年11月掲載)

Project WILD公式HPには環境教育活動事例などが掲載されています:https://www.projectwild.jp/

キーワード: イモリ、両生類、ビオトープ、観察会
椎名 春菜(しいな はるな)
椎名 春菜(しいな はるな)
一般財団法人公園財団 国営アルプスあづみの公園勤務 Project WILD エデュケーター 1997年神奈川県生まれ。2019年に入団し新卒で現在の国営アルプスあづみの公園に勤務。

生き物好きでサメまで飼うような父の影響で幼少期より川や海、山で生き物に遊び相手をしてもらい今に至る。 大好きな魚を知るため水産高校に進学、その後陸地の環境にも興味を持ち大学ではゼネラリストを目指す学科で生き物からマーケティングまで幅広い学問に触れた。
現在は有尾類のグッズの収集・飼育を趣味とし、自宅ではハトやイモリなど約50種類の生き物と暮らしている。入団後はボランティアとの協働活動や環境教育・生き物に関するイベント等を企画し実施している。昨年度より園内の水たまりを多様な生き物の住処、イベントの実施場所として活用するべく整備を進める。生きものの魅力をお客様に伝えるため勉強中。
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