ヒナが巣から落ちてしまうのには何らかの原因があります。餌をもらうのに夢中になったり、巣立ちの準備のために飛ぶ練習をしていて落ちたり、成長や身体に問題がある場合等の原因が考えられます。元気に鳴くことのできるヒナの場合、親鳥が近くで見守っていることが多いので、ヒナがかわいいからといって連れて帰ったり、近寄ったりせずに、ヒナから離れてください。人が近くにいると、親鳥は警戒してヒナの所へ来ることができません。
巣立ち前のヒナは落ちてしまうと親鳥が自力で巣に戻すことはできません。
また、一度巣に戻したヒナが落ちてしまうこともよくあります。
ヒナが成長し、狭くなった巣から落ちる事もありますが、この場合もできるだけ「拾わない」「さわらない」方が良いと考えますが、ごく若いヒナが落ちて、近くに巣が見つけられた場合は巣に戻してあげましょう。
ヒナがぐったりしていたり、ケガをしていて保護する場合は、各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談して下さい。近くの獣医さんなど保護、治療をしていただける施設を紹介してもらえる場合があります。
ヒナに直接手で触れる事は避け、手袋などをして安全や衛生面に注意しましょう。
また、ケガしているヒナを運んだり保護する場合、一番はじめにやらなければならないのは保温です。ヒナはどんどん体温が低下し、衰弱してしまします。ペットボトルに40度くらいのお湯を入れ、タオルで包んでヒナの近くに置いてあげましょう。
カラスやネコなど他の生きものに食べられてしまう事が心配な場合は、ヒナを近くの茂みの中などにそっと隠してあげましょう。親鳥は、ヒナの姿が見えなくても、声で気が付きます。むやみに野鳥を捕まえて飼育することは法律(鳥獣保護管理法)で禁止されているので、注意しましょう。
参考文献:
公益財団法人 日本野鳥の会『―ヒナを拾わないで―ヒナとの関わり方がわかるハンドブック』
http://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/hina-can/
公益財団法人 日本鳥類保護連盟
http://www.jspb.org/hinakyosan.html