1936年広島県生まれ。出版社の写真部勤務を経て1963年フリーランスとなる。撮影対象は多岐にわたる。第21回全国カレンダー展で通産大臣賞受賞。「小笠原国立公園郵便切手」「西表国立公園郵便切手」の原写真を撮影。出版物に 「森の水音をきく」(世界文化社)、「美しい日本●四季の名景」(日本写真企画)など多数。BS-TBS「風景芸術家と巡る日本の美1-2 日光編・伊豆編」に出演。 公益社団法人・日本写真家協会(JPS) 会員。
写真は光と影の芸術と言われます。太陽が出ている時だけに光を感じるのではなく、曇天の時こそ光の柔らかさやその影をよく見て、何処から撮影すれば印象的に表現できるか判断してみましょう。日頃から光を意識しながら見る癖をつけると晴天だけではなく雨天・曇天の光の印象が違ってくると思います。
青空でも曇天でも大雨以外ならばモミジの木の下に入って見上げると葉の重なり具合によって色の濃度に変化が見られます。こんな時には露出補正を使い画面を明るくして撮って見ると色の濃淡が変化し、肉眼では味わえない不思議な美しい画像が得られるでしょう。特に曇天では空が白くなるため画用紙にスケッチした感覚の写真が出来ると思います。
モミジの葉が目の高さや頭の高さにある時はその葉に近づいて太陽に透かしてみましょう。その際レンズが葉の陰になるような位置にスマートフォンを持っていくことがコツです。
かなり接写(接近して写すこと)ができますからスマートフォンがブレないように固定することです。
■スマートフォンの露出補正をマスターしましょう
スマートフォンのピント合わせの右横に細い縦の線があり線の中心点を上下することで露出の明度が左右されイメージ通りの露出を得ることができます。明るくしたいときは中心点から上にポイントを上げ少し暗めにしたいときにはポイントを下に下げると画面が暗くなります。画面を見ながらイメージを膨らませられるのでとても重要で便利な機能です。
(左)ポイントを上げた写真/(右)ポイントを下げた写真
■色を楽しみ色のバランスを・・・・
紅葉の季節は色が溢れていると言っても過言ではないでしょう。どこを見ても綺麗に見えてしまうものですから、色を自分なりに整理して見るように心がけましょう。例えば、赤い紅葉と背景になる日陰など黒い部分を組み合わせたり、赤と黄色のバランスを楽しんだり、色のグラデーションを感じたりしながら感じた紅葉を丹念に撮影してみましょう。その際スマートフォンを斜めにして撮影して見ると感じた色彩がより美しくなる場合もあります。スマートフォンを水平に保つだけではなく自由に感じる儘に撮ることで発想が豊かになり他人ではない自分の感覚を表現することができます。
■落ち葉の造形を探しましょう
上ばかり見てきましたが足許にも目を移して見るようにしましょう。落ち葉の中にも面白い形や変化のある色を見つけることができると思います。落ち葉を組み合わせて絵を描くような感じて楽しんではいかがでしょう。公園内には立ち入り禁止以外で誰も見つけていない植物の葉があると思います。そんな発見が自分らしい写真になるのではないでしょうか。