
1950年、東京都生まれ。NPO法人 ワンワンパーティクラブ 代表。
1994年に日本初のドッグイベント『WANWANパーティ』を企画・主催。その後、飼い主同士の交流から飼育レベルを向上させることを目的に『ワンワンパーティクラブ』を設立。2000年にNPO法人となる。
従来の調教・訓練主導のしつけ方法ではなく、生活に密着したしつけ方法を開発・実践し、全国の愛犬家からの支持を受ける。現在は愛犬家の幸せな暮らしのために、イベントだけでなく、ドッグランを含む公園整備や人材育成など各方面にて活躍中。
出版物に『犬の頭がグングン良くなる育て方』(PHP研究所)など多数。

人は目と目を見て話しをしますが、人間以外の多くの動物の世界では、正面から見つめ合うことは敵視といって攻撃の前触れととらえられます。知らない犬とコミュニケーションをとりたいときには、ワンちゃんも飼い主さんも、なるべく目線を合わせないように近づきます。相性の悪い犬同士というのも希にありますが、犬同士の喧嘩は突然起きることは少なく、普通は数秒から数十秒の間、睨み合い、それから喧嘩に発展します。もし、相手のワンちゃんと相性が良くないのではと感じた時は、この睨み合っている時に、飼い主さんが自分の体を犬同士の視線の間に入れて、相手の犬と睨み合えない状態を作れば、たいてい避けられます。視線を離したら、そのまま反転してその犬から遠ざかれば、無用な喧嘩は起こさずにすみます。
また、犬同士の初対面の挨拶を知ることで、出会い頭のケンカは劇的に減ります。犬同士の初対面の挨拶の基本は年功序列です。まず相手のワンちゃんの年齢を聞き、どちらが年上かを知ります。年下の子の首輪をしっかり短めに持ち、お腹の下に手をいれて、絶対に振り向かないような体制をとった上で、相手の年上の子にお尻の臭いを嗅いでもらいます。この挨拶は犬同士の世界では礼儀正しい初対面の挨拶になるので、年上の子も満足し無用な喧嘩に発展しません。年上の子の臭い嗅ぎが終われば、交代してお尻の臭いを嗅がせてもらっても大丈夫です。
外出する時は必ずビニール袋やお散歩バッグをもって出かけ、愛犬のウンチは必ず持ち帰るようにしましょう。愛犬のウンチをすぐ取ることは、マナーを守るだけでなく愛犬の健康状態をいち早く把握することにもなり、病気の早期発見にも役立ちます。
子供さんが遊ぶ芝生の上や花壇の花にオシッコをかけるのは立派なマナー違反です。ワンちゃん達は、走っている時とオスワリしている時にはオシッコが出来ません。どうしてもオシッコをして欲しくない場所を通るときには、小走りに走ったりすることで避けることができます。万が一、してしまった時のためにペットボトルに水を入れて持ち歩き、洗い流しておくこともマナーとしては大事な行動です。
愛犬を連れて公園に行くときに必要なものがいろいろあります。まずはウンチをした時のためにビニール袋やお散歩バッグが必要です。特に初めての公園などでは、緊張のあまり回数や量が増えることがあります。少し多めに持っていきましょう。体調にもよりますが、精神的に疲れたり、反対に喜び過ぎた時にはウンチがいつもより軟らかくなる時があります。軟便でもとれるようにティッシュなども持っていきましょう。次にオシッコをした時に洗い流すための水を水筒やペットボトルに入れて行きます。最近ではペットボトルの口につけるシャワーヘッドも売っていますので、大変便利です。あとは、リードや首輪などです。最近では小型犬だからとの理由で、リードなどを持参しない人を見かけますが、ほとんどの事故は飼い主さんの油断や思い込みが原因で起きています。愛犬になにか起きてから後悔しても始まりません。なにがあっても、なにが起きても大丈夫なように準備してから出かけるようにします。
初めての公園や、たまに来た公園などでは、ワンちゃんも興奮してしまうことがよくあります。また、臭いで周囲の状況を感じ取るワンちゃん達にとって、見知らぬ臭いや嗅ぎ慣れていない臭いのする場所は、とても緊張します。神経質なワンちゃん達はオドオドと警戒する子もいます。ワンちゃん達を落ち着かせるための飼い主さんの行動には主に2つの行動があります。ひとつは、リードを短めにして一緒に走ることです。ワンちゃん達にとって一緒に走る行為というのは、仲間の証であり、安心の元でもあります。次に、そばに座って毛並みに沿って優しく触り、優しい言葉をかけながら名前を呼ぶのも落ち着かせるためには効果があります。反対に良くないのは、大きな声で叱ったり、悲鳴をあげるのは禁物で、余計にワンちゃんを興奮させてしまうことになります。また、毛並みに逆らってゴシゴシ激しく褒めるのもテンションを上げ気味にしてしまうので落ち着きにくくなります。
