よこすかseasideパートナーズ
三笠公園
三笠公園は横須賀新港に面した約37,000㎡の公園です。園内には東郷平八郎像や戦艦三笠が展示され、観光ツアーのコースの1つともなっており、「日本の都市公園100選」「日本の歴史公園100選」に選ばれた横須賀を代表する公園です。
公園では、景観維持や利用に合わせた高木の冬剪定や生垣の刈込などの植栽管理を行い、利用者が安全で快適に過ごせるよう取り組んでいます。
2024年4月より園内のクスノキの剪定枝を使った、サシェ※の販売を開始しました。
※サシェ・・・布の袋の中に、乾燥させた花やハーブ、香料などを入れた香り袋。
■クスノキの剪定枝を使ったサシェづくり
園内の植物管理作業を行うにあたり、委託業者に枝の剪定を依頼し、発生した枝等は公園から廃棄物として搬出する園外処理をしていました。排出量としては、年間約2tほどで、これらを処理する費用は決して安くはありません。樹木の剪定枝をすべて園外処理するのではなく、何か有効活用できないか、公園の課題を検討していました。園内にはクスノキも多く、これを使って何かできないかスタッフでアイディアを出すことにしました。クスノキは、クスノキ科クスノキ属の常緑高木で、温暖な地域の山地に生え、公園や社寺に植えられ、街路樹も多いです。特徴は、落ち葉や枝を折るとつんと刺激のある樟脳の香りがします。クスノキは独特な芳香を持つことから防虫剤や鎮痛剤として利用していました。「クスノキの香りを広めたい!」というアイディアが浮かび、2024年1月よりサシェ販売の企画が始まりました。企画から販売までの期間は、約3ヶ月かかりましたが、4月より販売を開始となりました。
サシェには、園内の剪定枝を使って公園スタッフで作成します。クスノキの香りは、剪定時から日が経つと香りが薄まるため、販売時にできるだけフレッシュなものを用意するのにストックを作りすぎないように在庫管理を行っております。
サシェに使う剪定枝は、包材によってカットの仕方を変えています。中身が見えない袋は、なるべく香りが広がるように、枝を鉈で細かくし、透明な袋は、剪定枝の形を楽しめるよう丸太状にカットしました。
またサシェの案内看板には、三笠公園SDGsの取り組みとしてサシェ販売をしていることを記載し、公園利用者に告知しています。サシェの売れ行きはよく、お土産として買っていく人が多くみられます。
■今後の展開
まずは三笠公園で年間サシェの販売を続けることが目標です。また、サシェの中身をクスノキの剪定枝だけでなく、園内で採れたローズマリーを入れてみるなど、バリエーションを変えて販売していきたいと考えております。
他の公園でサシェ販売の展開は、クスノキが他の公園に植栽がない等の理由で検討はしていませんが、何か企画をする際も、公園ならではの素材を使った取り組みにしたいです。
◆関連ページ:
横須賀市三笠公園
https://www.kanagawaparks.com/mikasa
※文中に出てくる所属、肩書、情報などは、掲載時のものです。(2024年9月掲載)