公園文化ロゴ
公園文化ロゴ
公園文化を語る 公園の達人 公園管理運営「チャレンジ!」しました 公園とSDGs 生きもの小話 みどり花コラム アートコラム 花みどり検定 公園の本棚 世界の公園 たまて箱 公園”Q&A /
みどり花コラム
野生植物の緑のカーテン
稀に見かける斑入りのヤブガラシ

稀に見かける斑入りのヤブガラシ

ヒートアイランド現象により年々厳しさを増す夏の暑さ、そんな中で、このところ見かけることが多くなった緑のカーテンは一服の清涼感を与えてくれる存在と言えるでしょう。

使われているのは、ニガウリ(ゴーヤ)、フウセンカズラ、アサガオなど、それはそれで悪くは無いのですが、私としては、野生種であっても都市化による厳しい環境の中で頑張って生きているクズ、ヤブガラシ、と言った植物にもぜひ活躍の場を与えてほしいのです。

両者とも葉が複葉で変化に富んでますし、花は派手ではないものの魅力が無いわけではありません。また、多年草なので一度植えれば毎年生えてきますし、丈夫で生育旺盛ときてます。よって手間もかからず、厳しい暑さをものともせずに見事な緑のカーテンを作ってくれることでしょう。

しかし実際にはなかなか一般には受け入れられないかもしれません。いざ実行すると「雑草なんか茂らせて」と苦情が来そうです。それは日本人の心のうちに栽培の歴史を持たず観賞の対象ともされてこなかった植物への根強い偏見がみられるからです。

そこで提案したいのが、まずは斑入りの種から導入することです。写真は家の近くで見つけたヤブガラシですが、クズにも美しい斑入りのものが発見されています。これならば受け入れられるのではないでしょうか。

なんといっても日本には斑入り植物栽培観賞の伝統があります。今から200年ほど前の江戸時代に水野忠暁と言う旗本が『草木錦葉集』なる世界に例を見ない斑入り植物図鑑を出版しているくらいです。

昨今の都市部には園芸植物と帰化植物があふれています。せめて公共施設の緑のカーテンだけでも野生のつる性植物にしてもらえないでしょうか。それで野生の植物を見直す機会を持つことができることを願わずにいられません。

(緑花文化士 小林英成) 2018年5月掲載

斑入りでも夏の日差しに強いクズ

斑入りでも夏の日差しに強いクズ

区切り線
過去記事一覧
活躍広がる日本発のDNA解析手法 植物の”新種”報告がまだまだ増えそう!
地に咲く風花 セツブンソウ
稲架木はさぎに会いに
クリスマスローズを植物画で描く
カラムシ(イラクサ科)
園芸と江戸のレガシー
植物標本作りは昔も今もあまり変わらず
カポックの復権
オオマツヨイグサ(アカバナ科)
森の幽霊? ギンリョウソウ
ジャカランダの思い出
水を利用してタネを散布する植物
都市緑化植物と江戸の園芸
スノードロップの季節
枯れるオオシラビソ 蔵王の樹氷に危機
シモバシラ
葛布くずふの話
琥珀
うちの藪は深山なり
神社で出会った木々
光を効率よく求めて生きるつる植物
モッコウバラとヒマラヤザクラ
志賀直哉と赤城の躑躅つつじ
花のきょのいろいろ
桜の園芸文化
動物を利用してタネを散布する植物
お餅とカビ
危ない!お豆にご用心
風を利用してタネを散布する植物
山椒の力
土佐で見たコウゾの栽培
「大伴家持の愛した花 カワラナデシコ」
「シアバターノキ」とブルキナファソ
白い十字の花、ドクダミの魅力
いずれアヤメか
すみれの花咲く頃
シマテンナンショウの話
セツブンソウ(節分草)
ハイジとアルプスのシストの花
年賀状 再び
開閉するマツカサ
和の色、そして、茜染めの思い出
いわしゃじんを毎年咲かせよう
知らないうちに
ボタニカル・アートのすすめ
ハマナスの緑の真珠
恋する植物:テイカカズラ
マメナシを知っていますか?
桜を植えた人
春の楽しみ
みゆちゃんのわすれもの
遅くなってゆく年賀状
イソギクは化石のかわりに
イノコズチの虫こぶ
ヒマラヤスギの毬果
私たちのくらしと海藻
河童に会いに
カラスビシャクを観察して
何もかも大きい~トチノキ~
キンラン・ギンラン
早春の楽しみ
キンセンカ、ホンキンセンカ
カラスウリの魅力
イチョウ並木と精子
コスモスに秘められた物語
「蟻の火吹き」の語源について
新しい植物分類
サルスベリ(猿滑、百日紅)
小松原湿原への小さな旅
野生植物の緑のカーテン
江戸の文化を伝えるサクラソウ
工都日立のさくら物語 ―大島桜と染井吉野―
ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属)
能楽と植物
サカキの冬芽と花芽
ケンポナシみつけた
セイダカアワダチソウの話
ヒガンバナ、そしてふるさと 
いにしえの薬草‘ガガイモ’
トリカブトの話し
ツユクサ、花で染めても色落ちしてしまう欠点を逆利用!
アサギマダラ
「思い込み」の桜
常磐の木 タチバナ
柿とくらし
植物に親しむ


TOPに戻る

公園文化ロゴ2